【平和島】鳥は何を話している?レンジャーと歩く東京港野鳥公園

2025年、びっくりするニュースが流れてきました。シジュウカラの「ことば」の一部が解明されたというのです。東京大学の鈴木俊貴准教授らによると、シジュウカラは20以上の単語を組み合わせて文を作っているというのです。

鳥のさえずりは、ただの鳴き声ではなかった。
そう思うと、これまで何気なく聞いていた声が、急に意味を持って響いてきます。

冬は落葉樹が葉を落とすので、野鳥を観察しやすい季節。少し厚着をして、シジュウカラの待つ公園へ出かけてみませんか。

東京港野鳥公園のなりたち

今回訪れたのは、東京都大田区にある「東京港野鳥公園」です。京急線「平和島駅」からバスに乗り、「野鳥公園」または「東京港野鳥公園」バス停で下車、徒歩約5分の場所にあります。

この場所は、もともと浅い海でした。
1960年代に埋め立てられた後、自然にできた池や草原に野鳥が集まるようになり、それを見た地域の人々が「この自然を守りたい」と声を上げます。その思いが実を結び、誕生したのが東京港野鳥公園です。

公園の隣には大田市場があり、周囲の道路には大きなトラックが行き交っています。ところが、一歩園内に足を踏み入れると、空気が変わる。木々に囲まれ、鳥の声が響く、まるで別世界です。

はじめての野鳥観察はネイチャーセンターから

野鳥観察が初めての方は、まず公園入口から管理事務所を通り、ネイチャーセンターへ向かいましょう。

ネイチャーセンターに入ると、周囲はぐるりとガラス張り。目の前には水辺が広がり、肉眼でも水鳥が泳ぐ姿を見ることができます。ここでは、数に限りはありますが双眼鏡の貸し出しもあり、さらに遠くの鳥を観察できるフィールドスコープも設置されています。

フィールドスコープをのぞくと、なんだか自分が専門家になったような気分に。

また、その日に公園で観察された野鳥のリストも掲示されているので、「今日はどんな鳥に出会えるのだろう」と眺めるのも楽しい時間です。

そして、ここには心強い存在がいます。
(公財)日本野鳥の会の「レンジャー」です。

レンジャーって、どんな人?

日本野鳥の会のレンジャーは、自然環境の調査や管理を行いながら、来園者が自然と出会うためのお手伝いをしてくれる専門家。
「鳥を見てみたいけれど、どこを探せばいいの?」
そんな疑問が浮かんだら、ぜひ声をかけてみてください。
どんな場所に野鳥が集まりやすいのか、今の季節にはどんな鳥が見られるのかなど、初心者にもわかりやすく、丁寧に教えてくれます。

ネイチャーセンター地下1階には、干潟の生きものを観察できる展示もあります。
「野鳥公園」という名前ですが、カニやトビハゼなど、干潟ならではの生きものにも出会えるのが魅力です。干潟の生きものの観察は、暖かくなる4月以降がおすすめです。

キッズスペースや飲食可能なスペースもあり、歩き疲れた時の休憩にもぴったり。家族連れでも、ゆったりと過ごせる場所です。

野鳥を見つける、3つのステップ

「どうやって野鳥を探せばいいですか?」
そう尋ねると、レンジャーさんはまず最初は水辺の鳥から探してみましょうと教えてくれました。

①耳をすまして、声のする方向を探す
②水辺で鳥を探す
③見つけた鳥を双眼鏡で見る
この3ステップを意識するだけで、野鳥を見つけるコツがつかめてきます。

さらに深く楽しみたい方には、「レンジャーとまわる! 野鳥公園ミニガイドツアー」がおすすめ。公式ホームページで開催予定が案内されており、事前申し込み制です。
約1時間、レンジャーさんと一緒に園内を歩くと、「こんなところにも鳥がいるんだ」と驚くことばかり。耳をすませ、鳥がいそうな場所を探しながら進んでいきます。

正面から見る野鳥のかわいさ

野鳥や生きものの図鑑は、横向きの写真が多いですが、私は野鳥を正面から見た姿が大好きです。

特に冬は、寒さから身を守るために羽をふくらませ、ふわふわ、まるまるとした姿になります。その愛らしさには、何度見ても心をつかまれます。たくさんの種類を見るのも楽しいですが、1種類の野鳥をじっくり観察するのも、また格別。

最近、鳴き声の意味が解明されたシジュウカラを観察するのもおすすめです。オスとメスで羽の模様が違ったり、季節によっては幼鳥に出会えたりすることもあります。

園内には、シジュウカラのような小鳥だけでなく、ノスリやオオタカといった猛禽類の姿も。ぜひ、自分のお気に入りの一羽を見つけてみてください。

「野鳥について知らなくても大丈夫!」

都心にありながら、自然を散策し、日本野鳥の会のレンジャーに出会える東京港野鳥公園。
野鳥が好きな人はもちろん、野鳥になじみのない人も楽しめる環境が整っています。

「野鳥について知らなくても大丈夫です。構えずに、ふらっと遊びに来てください。身近な自然に目を向けるきっかけになれば嬉しいです。植物、昆虫、干潟の生きものそれぞれの楽しみ方を、ぜひ見つけてください」と、今回案内してくれたレンジャーさん。

野鳥観察が初めての人にも、安心して一歩を踏み出せる公園です。

東京港野鳥公園

■住所 〒143-0001 東京都大田区東海3丁目1
■電話番号 03-3799-5031
■開園時間 2月~10月 9:00~17:00
11月~1月 9:00~16:30
■休園日 毎週月曜日(月曜日が祝日または都民の日の場合、翌平日が休園)
年末年始
■入園料(個人) 大人(高校生以上) 300円
65歳以上・中学生(都内在住在学以外) 150円
中学生(都内在住在学)小学生以下 無料
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と、その付添者(原則1名)は無料
※都内在住・在学の中学生は、証明できるものを提示すれば無料
※都民の日(10月1日)は無料
■アクセス 京急本線「平和島駅」からバス1番乗り場(森24・森32・森36・森41)バス停「野鳥公園」 下車5分、またはバス停1番乗り場(森43・森47)「東京港野鳥公園」下車徒歩5分。
■ホームページ https://www.tptc.co.jp/park/03_08
■東京港野鳥公園レンジャーブログ https://wbsj-wildbirdpark.blog.jp/
■Facebook https://www.facebook.com/Tokyoko.yachokouen

■スポット情報:https://newcal.jp/spot/OTA000044

Weavee地域ライター/七里 直子