京急本線「平和島駅」徒歩1分にある駅近カフェ「ベルクルール」には、平和島のまちを元気にしたいと願う元気いっぱいの店主がいます。
看板メニューは「平和島チーズケーキ」。カラフルなチーズケーキには店主の夢や地元への想いが詰まっていました。
北海道から持ち帰った
夢とチーズケーキ
「『ベルクルール』は元気をおすそ分けする場所でありたい」と話す店主は「元気」そのもの。ずっと前から知り合いであったかのように、初対面の私にも輝く笑顔で平和島への想いを話してくれました。
そんな店主は、自身が生まれ育った平和島をもっと盛り上げたいと「平和島」と名前のついたメニューを売り出すようになったのだとか。
「チーズケーキと言うと、自分の中では北海道とか軽井沢とか落ち着いて洗練された街のイメージがあるんですよね。平和島もそんな街にしたいと思って」と、看板メニューをチーズケーキにしようと決めたそうです。

2014年、店主は体調を崩して前職を退職。その時、頭によぎったのは30年前に出会った友達でした。
生まれも育ちも平和島の店主ですが、中高生の時に家の都合で5年ほど北海道に引っ越したのだそう。そこでできた友達の家がチーズ店で、チーズケーキの販売もしていました。
「平和島チーズケーキ」を作ろうと思った店主は、その友人の店に行き、手伝いをしながらチーズケーキ作りについて学んだそうです。

北海道から平和島に戻ってベルクルールを開いて間もなく、コロナ禍に見舞われます。客足が遠のく中、「このままではいけない!」と始めたのがチーズケーキの自販機でした。
「自販機のチーズケーキを買っていく顔の見えないお客様にも、安心・安全なチーズケーキを届けたい!」
そう思って導入したのが急速冷凍機です。
オーブンで焼いてすぐに急速冷凍機に入れ、凍り次第すぐに個包装します。衛生検査でも高い安全性が確認されており、安心して導入を決めることができました。

チーズケーキは店内でも食べることができます。
「ベルクルール」とはフランス語で「美しい色彩」という意味。色のないチーズにカラフルな色をつけたいと名づけた店名なのだそう。有言実行で、ベルクルールのチーズケーキは黄色のプレーン味をはじめ、緑色の抹茶味、紫色の紫いも味、クリーム色の紅茶味など、さまざまな色をしています(全て税込300円)。
夢をつんだキッチンカー
コロナ禍を乗り越えて、お店が軌道に乗っていた2025年。今度は店主が足を悪くしてリハビリ生活をしなければならないというアクシデントが。
一時的にお店を閉めざるをえず、普通に考えたら大ピンチですが、そのときに店主がひらめいたのは、歩かなくても販売ができるキッチンカーを始めることでした。キッチンカーなら今の自分でも「平和島チーズケーキ」を販売し続けられると思ったのだとか。
自分によくないことが起こっても、プラス思考で前向きに進んでいく店主と話していると、私も自然と元気になります。

現在は主にイベントで出店しているというキッチンカーですが、メニュー表にはチーズケーキ以外にも「平和島」と名の付くものが!
その名も「心ふるえる平和島初恋ソーダ」。
買いに来るお客さんは名前を言うのが恥ずかしいのか、正式名称で頼んでいる方は少なめ。「パインのソーダ」とか「イチゴのソーダ」とか中に入っている果物の名前で注文していました。
私は勇気を出して正式名称で注文。「ありがとうございます」と店主の元気のいい声と笑顔が炸裂です。

「心」の「ここ」はナタデココの「ココ」。凍ったフルーツと一緒に入ったナタデココの食感が楽しいソーダです。
これからは、キッチンカーであちこちを回って平和島の知名度を上げると共に、現在の店舗を工房化して「平和島チーズケーキ」の卸(おろし)をやりたいのだそう。
「平和島チーズケーキで世界平和を目指します! 夢ですけどね〜」と笑っていた店主ですが、この店主ならきっと有言実行するだろうと思って聞いていました。
平和島にあるのは明るい未来
これからも平和島のイメージアップになることをし続けたいという店主は、7月に新メニューを考案予定。「平和島デリ」と題して、夕方のお買い物時間帯に惣菜などのテイクアウトを開始するのだそう。これからも増え続ける「平和島」の名物に胸が高鳴ります。
色のないチーズに色を付けたいと名づけたベルクルール(=美しい色彩)。それは単なるチーズケーキの色と言うことだけではなく、人の色、街の色を鮮やかにしたいという店主の願いなのかもしれません。

取材日 2026/05/18
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