
早起きでぶらり途中下車の旅~花月総持寺駅で降りてみたら歴史を感じることができました~
「花月総持寺駅」は、京急電鉄の120周年記念事業の一環で、2020年に「花月園前駅」から駅名が変更されました。かつての花月園遊園地は閉園し、全国的に有名な「総持寺」を駅名に入れることで地域活性化につなげたいとの願いが込められているのだそう。
そんな「花月総持寺駅」の近辺はどんなところなのか、お散歩してきました。
歴史をつなぐ生麦魚河岸(うおがし)通り
「花月総持寺駅」を降りて、5分ほど歩いたところ。どこからともなく潮の香りがしてきたと思ったら、生麦魚河岸通りの入口です。
オレンジのひさしが目印の「丸菊」の店主が、生麦魚河岸通りの歴史を教えてくれました。
生麦魚河岸通りは、戦後多いときには約140軒もの鮮魚店がひしめく通りだったのだそう。表通りだけではおさまらず、脇道まで鮮魚店でぎっしりだったのだとか。
それが今では9軒まで減ってしまい、店主は寂しさをにじませながらも店を続けていく使命感をもっているようでした。

朝8時頃から営業している生麦魚河岸通りですが、早い時間は業者の方が買い付けにきます。お客さんの9割は寿司店とのこと。といっても、一般の方もウェルカム。
私が店主と話している間も、常連と思われる方が来店して、サンマを買って帰っていきました。その日の商品がなくなり次第の店じまいとのことで、行くたびに違う魚に出合える楽しさもあります。

※取材時の価格です
店先で元気に泳ぐドジョウを売っていたのは「安斉商店」。「今は生きてるけど、粉をまぶすと大人しくなるから、そのまま揚げてね」と店主に教えられ、ドキドキしながら購入しました。量り売りなので、好きな量が買えるのが専門店のいいところ。
「安斉商店」では、購入した魚をさばいてくれるので、魚初心者にもありがたいお店です。
生麦魚河岸通り
住所 神奈川県横浜市鶴見区生麦5-18-25
営業時間 8:00~11:00(商品がなくなり次第終了)
営業日 横浜市場開市日
休開市日カレンダー 横浜市
アクセス 京浜急行電鉄「花月総持寺駅」徒歩5分

少し散歩したらおなかがすいたので、魚河岸通りの大衆食堂「生麦」へ入ってみることに。木製の引き戸をカラカラと開けると、カウンター6席と4人掛けのテーブルが3つ。昔ながらの家庭的な雰囲気の定食屋さんです。

ウニ、いくら、カニのほぐし身がのった「生麦丼」は先代から受け継いだ一品。店名を冠していたので気になったのですが、店主イチオシは旬の食材を使ったものだそう。
お店にうかがったのは9月。「今の時期はサンマだね!」という一言で、初サンマ定食に決定です。
サンマの刺身にはオリジナルの七味醤油をつけるのが「生麦」流。ピリッとした辛さに初サンマの脂がじゅわーっと口の中で混ざります。
刺身に使ったサンマは、残った肝も別で調理。カラッと揚げた肝は苦みを感じず、スナック菓子のようでした。海の恵みを残すところなくいただけます。

仕入れによって毎日書き換えるスタイルです
生麦
住所 神奈川県横浜市鶴見区生麦5-23-9
電話 045-501-0467
営業時間 平日9:30~13:30/17:00~21:30
土曜日~14:00
定休日 日曜日、第4月曜日
アクセス 京浜急行電鉄「花月総持寺駅」徒歩5分
2025年11月23日(日)には「旧東海道まつり」が開催されます。名物「穴子の一本揚げ」が楽しめます。(8:00~13:00※雨天決行)
歴史を生かす「Owl Labo(オウルラボ)」~ヴィンテージコインでオリジナルリング作り~
おなかがいっぱいになったところで、もう少しお散歩。駅の近くに気になる看板を見つけました。少し薄暗いオレンジの照明が、洞窟に入っていくようなワクワク感で私を誘います。

味のあるふくろうのイラストが目印の「Owl Labo」。2024年3月にオープンした店で、古いコインから指輪を作るワークショップを行っているのだとか。
そのようなワークショップは京急沿線ではココだけということで、さっそく私も体験してみることにしました。

店の入り口近くには、コインの入ったたくさんの瓶が並んでいます。ひとつの瓶には100枚以上のコインが入っているものもあり、どれを使うか選ぶだけで大変そう。
若井さんのコインの知識はさすがで、日本のコインは薄くてもろいとか、ヨーロッパのコインは硬くてどんな力加減にも対応できる金属なので初心者向けだとか色々と話してくださいました。

(女性スタッフもいます。ご希望がある方は事前にご相談ください)
この年に製造されたコインがいいな、と思って探していたのですが、あまりのコインの多さで時間内に探しきれず。困っていた私に、若井さんがおススメしてくれたコインは2つ。
ひとつは、「クラウン」と呼ばれるコインです。周囲が波打った形になっているので、リングができた時に王冠のような形になるのだそう。
もうひとつは、「ハッピーコイン」。幸せの国デンマークのもので、コインにハートと王冠がデザインされています。私は今回、こちらを選ぶことにしました。
※トータルの体験時間が決まっているので、どうしてもお好みのコインを時間をかけて探したい場合は、製作時間を削ることで可能です。

手押しポンプの井戸のような要領で、上下に10回ほど動かすと、突然「バン!」という大きな音。取り出してみると、コインがドーナツ形にくり抜かれていました。
その後、他の機械を使って、削ったり伸ばしたりを繰り返すこと20~30分ほど。あっという間に指輪の形になりました。最後に心を込めて研磨剤で磨いたら完成です。
※所要時間は目安となります

くり抜いた部分で作ったネックレス(左)
※ネックレス加工はオプション・料金別途
「おひとりでも、カップルでも、友達同士でも、やってみたいと思ったらいつでもどうぞ」と若井さん。ただ、予約時間より早く来店した場合に待っているスペースがないことを申し訳なく思っているそう。予約時間ぴったりに来店するのがおすすめです。
体験は完全予約制ですので、下記ホームページ、またはインスタブラムから予約することをお忘れなく。
Owl Labo
住所 神奈川県横浜市鶴見区生麦5-6-11
ネオマイムステーションスクエア106
営業時間 11:00~20:00
営業日 不定休
アクセス 京浜急行電鉄「花月総持寺駅」徒歩1分
Owl Labo
Owl Labo -コインリング WORK SHOP-⦅横浜⦆(@owllabo.yokohama) • Instagram写真と動画
歴史は続く これからも…
古くから続く「生麦魚河岸通り」で歴史を感じ、「Owl Labo」で歴史の詰まったコインで指輪を作るという、歴史を駆け巡ったぶらり旅でした。歴史は未来へと続きます。これからも歴史を作り、つなげ、発信していく花月総持寺駅をみなさんも訪れてみてはいかがでしょうか。
Weavee地域ライター/松井 美智子