【鎌倉】暮らしに遊び心を。スイカ柄キッチンタオル誕生の舞台裏
2026.08.21
三浦

【鎌倉】暮らしに遊び心を。スイカ柄キッチンタオル誕生の舞台裏

小笠原晴菜

ライター

小笠原晴菜

  • #アート
  • #お土産

鎌倉駅から約15分ほどの場所にあるテキスタイル研究所「Casa de paño(カサ・デ・パーニョ)」は、テキスタイルの展示やワークショップなどを通して、布やデザイン、そして才能溢れるデザイナー達の魅力を発信しています。

閑静な住宅街の一角に色鮮やかなテキスタイルが目印のギャラリー

今回ご紹介するのは、「スイカ柄のキッチンタオル」。Casa de pañoが手がける「Local Textile Project(ローカルテキスタイルプロジェクト)」と、日本テレビが展開してきた地域密着型メディア『地元良品JOURNEY(※)』とのコラボから生まれた一枚です。ローカルテキスタイルプロジェクトは鎌倉・湘南・三浦の魅力をテキスタイルで表現するというもの。三浦の畑や農家の営みを映し出すキッチンタオルの誕生ストーリーをCasa de  paño代表兼ブランドディレクター・伊藤眞依子さんに伺いました。 

夏らしさあふれるスイカ柄のキッチンタオル(※写真提供:Casa de paño) 

三浦の夏を描いた
スイカ柄のキッチンタオル

夏の日差しを浴びて育つ三浦のスイカを描いた、鮮やかで暮らしに季節を添えるキッチンタオル。「観光地であるこの地域から連想される作られたイメージとはまた異なる、ローカルな暮らしの風景や楽しみを生地にしたいと考えました」と伊藤さんは言います。

日本の技術が息づく、長く使いたい1枚

お気に入りがあると暮らしがちょっぴり楽しくなりませんか?(※写真提供:日本テレビ/Casa de paño)

播州織で仕立てられたキッチンタオルは、やわらかな肌触りと軽さ、丈夫さが魅力。使うほどに風合いが増し、暮らしに馴染んでいきます。実際に伊藤さん愛用の一枚に触れると、そのふんわりとした心地よさが印象的でした。

一方で「こんな良いものをキッチンタオルに使うのはもったいない」という声も。スイカ柄のキッチンタオルは1枚2,420円。伊藤さんは、1,000円前後の手に取りやすい価格帯の製品が多く並ぶ中で、自ら織物産地へ足を運び、日本の技術が詰まった生地を届ける道を選びました。 

「もよう」に込められた
もうひとつの物語

Red/Green/Medium Grayの全3色(各¥2,420)(※写真提供:Casa de paño)

生地いっぱいに描かれているのは、三浦のスイカが育つまでの物語。苗を植え、ミツバチが受粉を手伝い、やがて実をつける。1枚の布の中には農家の人々が丁寧にスイカを生産している様子が描かれ、眺めるたびに三浦の豊かな畑や農家の人々の営みが思い浮かぶデザインです。

生地にも描かれているミツバチ(※写真提供:Casa de paño)

制作にあたっては、実際に三浦のスイカ農家を訪れ、成長過程から取材を重ねます。「収穫の時だけ農家さんに合流してそれまでのストーリーを聞くのと、共に成長過程を追いかけるのではやっぱり感じ方が全然違います」と話す伊藤さん。時にはデザイナーのスズキトモコさんも同行し、農家さんと同じ時間を過ごしながら、その場で感じた空気や感動をスイカ柄のデザインへと落とし込んでいます。 

何度も会うことで、一緒に作り上げていく(※写真提供:Casa de paño)

農家さんにしか分からない感覚や経験があるからこそ、リサーチや取材は丁寧に重ねています。例えば、キッチンタオルのカラー展開を考える過程で「きれい」と感じた色も、農家さんにとっては病気の葉を連想させる色だった、なんてことも。そのため、その都度農家さんの声を大切にしながら、細部まで調整しています。 

何度も足を運んだ三浦の大地(※写真提供:Casa de paño)

大変だったことも、完成した商品を見て農家さんに喜んでもらえた瞬間、「PJメンバーとして携わることができて、本当に良かった」という気持ちに変わるのだといいます。農家さんとの対話を重ね、その想いを一つの形として届けること。それが、このプロジェクトの大きなやりがいにつながっています。 

想いを届けるための新たな伝え方

価格だけではつたわらない背景をきちんと届けたいと思いました 

完成したスイカ柄のキッチンタオルも、発売当初は価格や用途について、さまざまな声が寄せられました。もっとキッチンタオルの楽しみ方や魅力を伝えたいと感じた伊藤さんは、三浦の畑の美しい景色やインタビュー記事を通して魅力を直感的に伝える冊子を制作。背景にあるストーリーやこだわりを丁寧に可視化することで、少しずつ理解が広がり、繰り返し手に取る人も増えてきたそうです。現在では三浦市内の「うらりマルシェ」や湘南エリアの「スズキヤ」、オンラインショップなどでも取り扱われています。 

帯にも一工夫(※写真提供:Casa de paño)

帯のQRコードからは、農家さんの想いや制作背景を綴った開発ストーリーを読むことができます。

「まずはデザインに惹かれて手に取ってもらえたら。そして記事を読んで『三浦野菜を買ってみよう』と思ってもらえたらうれしいですね」と伊藤さん。取材を受けた農家さんからも、「想いまで届けてもらえてうれしい」という声が寄せられています。

一枚の布から広がる楽しみ

空間が華やいでいます  

キッチンタオルとして生まれた一枚の布は、ランチョンマットやお弁当包みなど、使う人のアイデア次第でさまざまな表情を見せてくれます。

「使い方に正解はありません。旅の思い出や、その土地の記憶とともに残る一枚になればうれしいです」と話す伊藤さん。その言葉どおり、布は暮らしの中で静かに寄り添いながら、新たな物語を紡いでいきます。

※『地元良品JOURNEY』は2026年4月7日をもって終了しています。

スポット情報

Casa de paño

■住所:〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪の下(不定期オープンのため、ここから先の住所はギャラリー利用者のみに別途案内する方法がとられています)
■アクセス:鎌倉駅より江ノ電バス5分「八幡宮裏」停留所2分
■Instagram:https://www.instagram.com/casadepano_studio/?utm_source=ig_web_button_share_sheet
■HP:Casa de paño | テキスタイル | Japan, 神奈川県鎌倉市

取材日 2026年7月21日

※本記事に掲載されている情報は取材当時のものです。最新の情報とは異なる場合がありますので、お出かけの際は事前にご確認ください。

この記事を書いた人

小笠原晴菜

ライター

小笠原晴菜

北海道出身、横浜市在住のフリーライター。Google検索TOP獲得経験あり。人・街・歴史を訪ねる取材と、グルメ取材が好きです。湘南・横浜のママ向けフリーマガジンやWebマガジンを中心に執筆。3児のママ&サッカーママ。

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