偉人が過ごした海辺の別荘で、明治時代にタイムトリップ

当時は灯籠の火を目指して訪れていた

明治時代、現在の横浜市金沢区周辺は風光明媚な景観と都心からの良好なアクセス環境が評価され、別荘地として高い人気を集めていました。

初代内閣総理大臣の伊藤博文もこの地を大変気に入り、明治31年、田舎風海浜別荘を建築しました。伊藤博文は、東京から横浜まで電車に乗り、そこから船で別荘を訪れていたと伝えられています。

旧伊藤博文金沢別邸

現在では、京急金沢八景駅でシーサイドラインに乗り換え、約2分。野島公園で降り、5分ほど歩くと、野島公園内に茅葺寄棟屋根の家が見えてきます。そこが旧伊藤博文金沢別邸です。

旧伊藤博文別邸は、平成18年に横浜市指定有形文化財登録されました。海に面しているため、海風による劣化が進んでいましたが、当時別邸を管理していた地元の旧家に保管されていた貴重な資料などを元に解体工事・調査が行われ、創建時の姿に復元しました。

建物には、茅葺寄棟屋根の施工技術が用いられています。この技術は、日本の伝統建築工匠の技として評価され、令和2年にユネスコの無形文化遺産として登録されました。

明治時代にタイムスリップ

建物内には、伊藤博文に関する資料が展示されており、当時の様子を今に伝えています。また、当時の日本にはまだなかった板ガラスをベルギーから船で取り寄せて使用するなど海外の技術も取り入れられていました。

敷地内には、明治時代から植えられていた松の木も今もなお大切に守られています。

時期によって楽しめる飾り。私が訪れたときには、重陽の節句にあわせた生け花や飾りをみることができました。年に2回お茶会が開催されています

館内では床がきしむ音や、伊藤博文が生活した部屋を見学できました。海辺の窓から見える景色は近代的な建物も並んでいましたが、それも過去と現在が交差する、どこか不思議な空間でした。

また、隣接された牡丹園では牡丹が金沢区の花になった由来や、金沢区の歴史を知ることができます。開花シーズンの4月には”牡丹まつり”が開催され、満開の牡丹やコンサートを楽しむことができるそうです。

大正天皇や韓国皇太子なども訪れた旧伊藤博文別邸。歴史の扉を開けに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

【施設情報】

旧伊藤博文金沢別邸

住所:〒236-0025 横浜市金沢区野島町24

電話:045-788-1919

営業時間:月によって異なるため、公式HPをご覧ください。

11月4日(火)から2月27日(金)までは茅葺屋根修繕の為、休館となります。併設する牡丹園は入園できます。(休園日を除く)

入館料:無料

アクセス:シーサイドライン「野島公園駅」徒歩5分

WEBサイト:https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/park/nojima/

※旧伊藤博文金沢別邸は修繕工事のため、右記の期間休館となります。
令和7年11月4日(火)~令和8年2月27日(金)
併設する牡丹園は入園できます。(休園日を除く)

Weavee地域ライター/山岸礼佳