夜鳴きそばをご存知でしょうか。
夜の街に「ちりん」と響く鐘の音。その音に誘われ、人々が屋台に集った。そんな風景から生まれた言葉です。

金沢八景に店を構える「越後屋」のルーツも、まさにこの夜鳴きそば。新潟出身で日露戦争に従軍していた人物が、この地で鐘を鳴らしながら屋台のそば屋を始めたのが始まりだといいます。かつて人々を呼び寄せていたその鐘は、今も店内の中心で静かにたたずみ、店の歴史を物語っています。
世代を超えて集う、活気ある店内
京急本線・金沢八景駅から徒歩12分。伝統的な造りの扉を開けると、子どもからお年寄りまでが集う、にぎやかな空間が広がります。現在の店主は五代目。老舗でありながら気取らず、初めてでも自然と馴染める雰囲気が魅力です。

土日は八景島帰りのファミリー層でにぎわい、ベビーカーや車いすでも入りやすい造り。店主は「子どもの元気な声は大歓迎」と笑います。常連客は20代から80代までと幅広く、地域に深く根付いていることが伝わってきます。
正統派のそばと、忘れられない一杯
そばは香り高く、つるりとしたのど越しが心地よい正統派。おすすめは、温かいすだちそば。爽やかな酸味がそばの風味を引き立て、最後の一口まで飽きさせません。

リピート率ナンバーワンは、京都の鴨を使った鴨せいろ。濃厚な鴨の脂がそばに絡み、「これしか食べない」という常連がいるのも納得の味わいです。

天ぷらは「究極の蒸し料理」

天ぷらにも強いこだわりがあります。小柴漁港で水揚げされたアナゴを使った天ぷらは、軽やかで胃もたれしにくいのが特徴。店主は「天ぷらは揚げ物ではなく、究極の蒸し料理」と語ります。衣で包み、油の中で蒸し焼きにすることで、食材の水分をほどよく飛ばし、うま味と香りを凝縮しているのだそうです。
そば前も楽しい、懐の深さ
「三日間炊いたにしんのうま煮」や「鴨ささみしそ天」など、そば前にうれしいサイドメニューも充実。日本酒は常時10種類ほど揃い、だったんそば茶を漬け込んだ「そば茶ハイボール」という個性的な一杯も楽しめます。

伝統的な日本のそばと日本食を、肩ひじ張らずに味わわせてくれる越後屋。
次はぜひ、家族そろって訪れたいと思える一軒です。
スポット情報
そば越後屋
■住所 〒236-0028 神奈川県横浜市金沢区洲崎町1-1
■電話番号 045-701-9352
■営業時間 11:00~21:00(L.O.20:00)通し営業
※平日15時から16時まで仕込みのため閉めています。
■定休日 月曜日
※祝日の場合は営業。かわりに翌日火曜日が休業日
■アクセス 京急本線「金沢八景駅」徒歩12分
■ホームページ http://soba-echigoya.com/index.html
■Facebook https://www.facebook.com/soba.echigoya/?ref=embed_page#
■スポット情報:https://newcal.jp/spot/KNA000021
Weavee地域ライター/七里直子