かつて、川崎は産業の発展とともに環境面での課題に直面した時期がありました。
しかし、そうした歴史を一つひとつ乗り越えてきたからこそ、現在の川崎は「環境都市」へと進化を遂げ、今では地域を愛する方々が胸を張って暮らす活気ある街となっています。
川崎という街を守り、地域を盛り上げる取り組みのひとつに、東海道かわさき宿交流館があります。
「歴史ある宿場を守るだけでなく、その賑わいを現代の街づくり、そして未来へとつなげていきたい。」東海道かわさき宿交流館の副館長である島田さんの言葉からは、一施設の枠を超えた、壮大な情熱が伝わってきます。
今の川崎につながる東海道。
ここにまつわる新しい「つながり」を発見するために、施設を見学してきました。
地元の「愛」が形になった、
歴史を守る拠点
「かつてここにあった宿場町を、自分たちの手で守り、後世に伝えたい」
そんな地元の方々の切実な願いと情熱が集まり、この交流館は誕生しました。
単なる行政の施設ではなく、地域の方々が川崎をこよなく愛し、誇りに思う気持ちが形になった場所なのです。
ここは、江戸時代から続く歴史を「学び」、多世代が「交流」し、落語や講演会を通じて「文化」を体感する場。老若男女、そして国境を越えた人々が行き交う、まさに現代の「宿場」としての役割を果たしています。

タイムスリップ!
宿場町を再現
数ある展示の中で、島田さんが「ぜひ見てほしい」と太鼓判を押すのが、2階にある宿場町のジオラマ展示です。

川崎は空襲で多くの歴史的な街並みを失ってしまいました。
その失われたはずの風景が目の前に広がる瞬間は、まさにタイムトラベル。
当時の旅人たちが歩いた道を想像すると、今の川崎の風景がまた違って見えてくるはずです。
見る角度によって街の雰囲気が異なります。ここを訪れたら、しゃがんでみたり立ってみたり、いろんな角度から眺めてみるのがおすすめです。

もうひとつのイチオシは、記念撮影スポット。
お姫様やお殿様といった豪華なものから、旅装束、町娘、さらにはお子様用まで、バリエーション豊かな着物が用意されていて体験することができます。
これらはすべて「無料」で体験でき、写真撮影も自由というから驚きです。

さらに嬉しいのが、背景パネルを「東海道五拾三次」「川崎六郷渡船」「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」のスクリーンなどから選べること。
その日の気分や選んだ衣装に合わせてシチュエーションを変えられる演出も。
この記念撮影スポットは、海外からの観光客にも大好評だそうです。


小中学生から東海道ウォーカーまで
集う、学びの場
「歴史を学ぶ」と聞くと、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、ここでは歴史に抵抗があっても、楽しいコンテンツがたくさんあり、目で見て触れて、そしてスタッフの方や展示室にいるボランティアガイドの方々の話を聞きながら過ごすことで、この地域の歴史を学ぶことができます。

この東海道かわさき宿交流館は、地元の小中学生が社会科見学で訪れたり、東海道五十三次を実際に歩く“東海道ウォーカー”が立ち寄ったりと、利用者層は実に多彩。

近年は海外からの来館者も増え、多言語対応もあり、世代や国籍を超えた「学び」と「交流」の拠点として、ますます存在感を高めています。
まさに太っ腹!「無料」の
落語公演会に注目

この施設の魅力は、展示や体験だけではありません。
定期的に開催される落語公演会も、なんと無料で楽しめます。
「気軽に文化に触れてほしい」
そんな想いから続けられているこの企画。
ジオラマで江戸の風情を感じたあとに聴く落語は、より一層味わい深く感じられるはずです。

落語に馴染みがない方にとっても、
「無料だから、ちょっと聴いてみよう」(事前予約必要あり)
そんな新しい一歩のきっかけになっているそうです。
2月からは「坂本九さん」展示で
さらに街を元気に!
京急川崎駅から徒歩6分、東海道かわさき宿交流館は川崎の今昔を感じ取れるそんな場所でした。
この場所から、「川崎を盛り上げる」そんな強い気持ちも受け取れ、「歴史を知ることで、今住んでいる街や訪れる街がもっと好きになる」という副館長の島田さんのお話を聞きながら、館内の活気を肌で感じ、川崎という街の力強さを再発見しました。
2026年2月からは、川崎出身のスターである坂本九さんの展示が開催されるのだそう。
常設展はもちろん、このような企画展を訪れるのも、今まで知らなかった川崎の魅力に触れる機会となることでしょう。
過去を大切にしながら、未来へと繋いでいく。
そんな温かなエネルギーに満ちた「東海道かわさき宿交流館」。
歴史に詳しくなくても大丈夫。まずはふらりと、この街の「誇り」に触れに来てみませんか?

スポット情報
東海道かわさき宿交流館
■住所: 〒210-0001 神奈川県川崎市川崎区本町1丁目8番地4
■電話番号:044-280-7321
■営業時間:9:00~17:00
■定休日:月曜(月曜日が、「国民の祝日に関する法律」に規定する休日にあたるときは開館し、
その直後の休日でない日を休館とします。)
12月29日~1月3日
■アクセス: 京急線「京急川崎駅」から徒歩約6分
■入館料: 無料
■公式サイト: https://kawasakishuku.jp/
■インスタグラム:https://www.instagram.com/tokaido_kawasaki_shuku_koryu/
■スポット情報:https://newcal.jp/spot/KWA000025
Weavee地域ライター/中嶋 あゆみ