京急蒲田駅からバスに揺られて、下町の工場エリアへ。建物についているタンクからは蒸気が上がっていて、ワクワク感を引き立てます。訪問したのは「コダマ飲料株式会社(以下、コダマ飲料)」。いったいどんなヒミツが待っているのでしょうか。

「バイスサワー」誕生
「コダマ飲料」の名前の由来は「特急こだま」です。新幹線の「こだま」ではなく、通勤特急として走っていた「こだま」。1日のうちに東京―大阪間が往復できるようになった夢と希望がいっぱいの特急でした。
コダマ飲料の設立は、この特急こだまの開通と同じ1958年。特急こだまのような明るい未来を願ってつけた名前だったのです。

特急こだま(写真右)
当時、現在の代表取締役社長である池澤さんは5歳くらいで、電車が大好きだったのだとか。父親である創業者が「こだま」を社名に採用したことに、ほのぼのとした親心も見え隠れします。
コダマ飲料は、ラムネや炭酸水の生産・販売から始まりましたが、あるとき、炭酸水の注文量が異常に多いことが。
不思議に思った社長が取引先の店に炭酸水の使い道を聞いてみると、サワーの割り材(アルコールと混ぜて使うノンアルコール飲料)として使っているとのこと。サワーが人気を集めていたのです!

そんなに売れるならと、「コダマ飲料」でも1981年にレモンサワーを売り始めました。しかし、一度はヒットしたものの、数年すると売り上げが低迷してしまいます。
サワーに代わって街の居酒屋で人気が出てきたのが、焼酎の割り材だった「ホイス」でした。
そうと知ったら「コダマ飲料」でも、唯一無二の割り材を作ろうと奮起。その結果、1984年に完成したのが「バイスサワー」です。サワーという名前が付いているものの、ノンアルコール。炭酸とシロップで作った清涼飲料水です。

ミニポスター(写真中央)
「バイス」の「バイ」は使用している梅しそを連想させるような名前にしたとのこと。
「ホイス」の人気にあやかりたいと「バイス」と名づけた割り材は、たちまち人気になっていきました。
飲食店に入ると、バイスサワーのポスターを探すのが癖になっているという池澤さん。「石垣島で見つけた時は嬉しかったです。最南端バイスですね」とにっこり。子どもの成長をそっと見守るような優しい笑顔です。

「コダマ飲料」では全て機械生産で、バイスサワーだけでも1日7~8万本を作っています。
そのすべてについて、最終チェックは人の目で。毎分200本の速さで流れていく瓶ですが、異物がないかどうか1本ずつ確かめてから出荷されます。
2012年日経トレンディに掲載されたのを皮切りに、現在では30誌以上の雑誌や漫画、DVDにまで登場しているコダマバイスサワー。バイスにしかないピンクの見た目と梅しそ味。昭和レトロな魅力に引き込まれて、これからもファンを増やしていくでしょう。
スポット情報
コダマ飲料株式会社
※会社、工場見学はできません。
■住所:〒143-0013 東京都大田区大森南5-3-21
■電話番号:03-3744-8101
■問い合わせ:info@kodamainryo.jp
■WEBサイトURL:株式会社コダマ飲料
割り材を原液で
お酒の割り材であるコダマサワーですが、池澤さんによると「バイス」と「青りんご」はそのままでも飲めるとのこと。さっそくドン・キホーテで購入して飲んでみることにしました。
蓋を開けると、しっかり香る梅しそ。炭酸が入っているので、グラスにそそぐとピンクの液体の中で泡がシュワシュワ。見た目でもかわいらしいバイスです。

※価格は取材時(2026年3月)のもの
原液にはアルコールが含まれていないので、子どもでも飲むことができます。
私が飲んでいると、子どもたちもピンクの飲み物に興味津々。「ちょうだ~い」と言った次の瞬間にはゴクゴク。340ml家庭用バイスサワーを私と子ども2人で飲み干しました。
家庭用のバイスサワーはドン・キホーテの他、ライフ、ロピア、相鉄ローゼンなどで取り扱い中です。
※2026年3月現在。店舗によって取り扱いがない場合がございます。
まだまだあります!いろんな飲み方
池澤さんからオススメされて向かったのは、空港線「糀谷駅」徒歩2分、おいで通りにある「まるゐや(まるいや)」です。
店の常連だという池澤さんは、「まるゐやは、何を食べてもおいしい」と太鼓判。
まるゐやで飲めるバイスは「中(なか)」と「外(そと)」という飲み方。「中」が焼酎、「外」がバイスサワーのことで、グラスには「中」と氷、それとは別に「外」が出されます。 割り材であるバイスと焼酎が分けて提供されるので、好みの濃さで混ぜ合わせて飲むことができるのです。

おかわりの時は「中」だけ、もしくは「外」だけで頼めます。自分だけのバイスサワーを作りたい人には、うってつけのシステム。 おいしい割合で焼酎とバイスを混ぜたもの(450円)もあるので安心です。バイスサワーが初心者の方は、まずはこちらから試してみてはいかがでしょうか。

コダマサワー「外」(200円)
合わせるツマミは「メヒカリの唐揚げ」(550円)
京急蒲田駅から徒歩12分ほど歩いたところにある「いとや」で飲めるのは「シャリキンバイス」(税別550円)。「シャリキン」とは凍らせたキンミヤ焼酎のこと。シャーベット状の「シャリキン」は、氷を入れた時のように味が薄まることなくバイスを楽しめます。
初めからバイスと焼酎が混ざっているときとは違い、口の中で混ざる感じ。バイスと焼酎のそれぞれの味を感じながら、スッと溶ける「シャリキン」。絶品です。

さっぱりとしたバイスサワーに合わせるおつまみは、脂っぽいものがオススメと池澤さん。サクサクのからあげとバイス、ジューシーなもつ焼きとバイス、つまみの脂をサッと流すバイスのさっぱり感。イイ組み合わせでした。

ピンクのあいつに一目惚れ
私にとっては、本取材がバイスとの初対面でした。そして、一目惚れ。一度見たら忘れられない外見、一度会ったらまた会いたくなる味、そんな魅力をもったコダマバイスサワー。ぜひ一度、ピンクのしゅわしゅわにキュンとしてみませんか。
取材日 2026/02/10(コダマ飲料)
2026/03/16(まるゐや)
2026/03/02(いとや)
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
スポット情報
まるゐや
■住所:〒144-0034 東京都大田区西糀谷4-13-10
■電話番号:03-5736-3909
■営業時間:月~木・日17:00~翌1:00、金土祝前日17:00~翌2:00
■定休日:年末年始、不定休
■アクセス:京急空港線 「糀谷駅」 徒歩2分
スポット情報
いとや
■住所:〒144-0051 東京都大田区西蒲田7-29-3 久保井ビル1階
■電話番号:050-5487-2960
■営業時間:月~金15:00~23:00、土日祝13:00~20:00
※なくなり次第終了
■定休日:年末年始、不定休
■アクセス:京急本線 「京急蒲田駅」 徒歩12分
■WEBサイトURL:もつ焼き いとや - 西蒲田×もつ焼き