
「全部が不安でした」
そう話してくれたのは、京急鶴見でおにぎり屋を始めた姉妹。
飲食店で働いた経験がない二人が地元で踏み出した第一歩は「テイクアウト専門の小さなお店」という等身大のスタイルでした。お店にはガス釜で炊き上げられたごはんの香りが漂い、素材に丁寧に向き合った無添加の具材を使ったおにぎりが並びます。
あだ名をそのまま、
店の名前に

お店があるのは商店街や駅ビルが並ぶ通りの一角。飲食店を間借りして営業しています。
一風変わった店名の「かっか」と「ちょんちゃん」は、子どもの頃から家族で呼び合ってきたあだ名なのだそう。
「背伸びをせずに始めるなら、この名前がいちばんしっくりきました」と話すのは妹のちょんちゃん。姉妹で店に立つ彼女たちにとって、その呼び名は、生まれ育った町でスタートする自分たちらしい名前でした。
気さくにお話をしてくれる飾らないふたりの空気感には、初対面でも気軽に声をかけられる雰囲気があります。
ちょんちゃんは元々、おにぎりが大好きで飲食店をするなら絶対におにぎり!と決めていたと笑顔で教えてくれました。
自宅などで友人におにぎりを振る舞う中で「美味しい!」と言ってもらえることも後押しになり、姉のかっかさんに「一緒にやってみない?」と声をかけたと言います。
とはいえ、飲食店の経営は初めての二人。物件探し、仕入れ、仕込みの段取り。やることは山のようにありました。「続けていけるのか」という不安も常にあったといいます。
それでも、地元である京急鶴見で、間借りという形でのスタートしたのは「まずは自分たちにできる形で始めたかったから」。こうして、限られたスペースでもできるテイクアウト専門のおにぎり店が生まれました。
京急鶴見のテイクアウトで
楽しむ、無添加おにぎり


毎日食べても飽きないものを届けたい。
店頭に並ぶのは、そんな思いをこめて握られたおにぎりたち。
特別栽培米をガスで炊き上げたごはんは、一粒一粒がほどけるようなやわらかさで、口に運ぶとやさしい甘みが広がります。
※特別栽培米とは農林水産省のガイドラインに基づき、その地域で一般的な栽培方法(慣行栽培)と比べて、農薬と化学肥料の窒素成分を各50%以上減らして栽培されたお米
だからこそ、使う具材はできるだけシンプルに。
例えば「うめ」は塩と梅のみ。昔ながらの白干し製法で、紀州南高梅を使用しています。
無添加のこだわりは調味料にも。手間を惜しまずにマヨネーズまで手作りするのは、「安心して食べてもらいたい」という思いからです。
おにぎりの具は、定番の「さけ」や「おかか」をはじめ、季節の素材を活かしたタケノコや銀杏など、その日の気分で選べる楽しさもあります。

お米の香りが、
この街の日常になるまで

オープンから7年を経ても「まだまだこれからです」と笑いながら答える姉妹。それでも、最初に抱えていた不安は、少しずつ確かな手応えに変わってきているようです。
最近では、顔なじみの姿も増えてきました。中には「糖尿病で食事に気をつけなければいけないけれど、玄米なら食べられるから」と玄米のおにぎりを求めて通ってくれているお客さんも。
初めてのお客さんとの出会いはもちろん、リピーターのお客さんに「また来ました」と声をかけてもらえることが、日々の力になっているといいます。
姉妹のやりとりやお店に流れるやわらかい空気にふれて、ここは日常の中でふと思い出したくなる場所だと感じました。
京急鶴見を訪れたときには、仕事の合間やおでかけの前に、そっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
取材日 2026/02/27
※本記事に掲載されている情報は取材当時のものです。最新の情報とは異なる場合がありますので、お出かけの際は事前にご確認ください。
スポット情報
かっかとちょんちゃんのおにぎりや
■住所:〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央1丁目3−18 三冨ビル 1F
■営業日:水・木・金
■営業時間:7:30〜14:00
※お米がなくなり次第終了となります
■アクセス:京急本線「京急鶴見駅」徒歩2分
■InstagramアカウントURL:https://www.instagram.com/kakkatochon.onigiriya/