【三崎】70年の歴史を刻む、天然温泉の銭湯「クアーズMISAKI」
2026.04.01
三浦

【三崎】70年の歴史を刻む、天然温泉の銭湯「クアーズMISAKI」

田窪 綾

ライター

田窪 綾

  • #温泉・スパ

旅館から銭湯へ

三崎口駅からバスに乗り約10分。静かな住宅街を進むとガラス張りの建物が見えてきます。ここ「クアーズMISAKI」は三浦市に残る唯一の銭湯。

地域の方を中心に、季節によっては海水浴や釣り帰り、キャンプやツーリングのお客も訪れます。近年ではランナーたちが荷物を預け、走った後に温泉で汗を流す「ラン二ングステーション」の機能も備えています。

レンタルタオルやシャンプー、リンスなど必要なものはフロントで購入できるので、手ぶらでも入れます。

「昔はこのあたりにも10軒以上銭湯があったんですけどね」と話すのは、店主の石川雅司さん(69歳)。「クアーズMISAKI」はもともと銭湯つきの旅館だったそうです。

1957年に石川さんの父が開業し、学校を卒業した石川さんは旅館の料理人として働いていました。「当時はマグロ漁船の漁師たちが出港や帰港のたびにうちで宴会をしていたし、結婚式も多くあって賑やかだったんですよ」と振り返ります。

しかし、先代が事故に遭い、石川さんが32歳で後を継ぐことに。時代の流れに合わせて銭湯への一本化を決め、1990年に現在の形へと建て直しました。

当時は地下水と水道水を使った銭湯でしたが、地下100メートルまで掘削した地下水に温泉の成分である「メタ珪酸」が豊富に含まれていたことから、現在は天然温泉に認定されています。

多彩なお風呂、
低めの湯加減でゆったりと

クアーズMISAKIの温泉に含まれる「メタ珪酸」は、肌の保湿に働きかける天然成分。無色透明でさらりとしたお湯です。お風呂の種類も豊富。広々としたジェットバスをメインに、電気風呂やヒノキ風呂、漢方の「実母散」を入れた薬湯もあります。また、プラス料金でサウナも利用できます。

湯加減にもこだわりあり。夏は約41℃、冬は42℃とやや低めに調整しています。

「最近の銭湯は熱めのお風呂が多いけど、ゆったり入ってもらいたいから。『ここのお風呂が、温度が好きだ』って遠方から通ってくださる方も結構いるんですよ」と石川さんは笑顔を見せます。

三浦市の銭湯文化を守り続ける

燃料費の高騰や衛生管理の徹底など、苦労も多い銭湯の維持。石川さんは「いつまで元気に働けるのだろうか」と、今後を考えることも増えたといいます。

定休日を週2日に増やし、営業時間を少し短くしてでも続けているのは、変わらず来てくれるお客さんがいるから。時代に合わせて試行錯誤しながらも、三浦市の銭湯文化を守り続けています。

取材日:2025/01/18

※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

大人530円、サウナも利用する場合は1,000円。毎日訪れるご近所さんも多いそう。
廃業する銭湯から譲り受けたという下駄箱。
脱衣室の壁にはダイナミックな富士山の絵。開業25周年を記念し、銭湯ペンキ絵師の田中みずきさんに描いてもらったそう。男湯には青い空や海が広がる鮮やかな富士山が描かれています。
女湯はピンクや黄色などが使われた温かみのある富士山が出迎えます。
フロント前では友人の畑で穫れた三浦産の新鮮野菜を格安で販売。野菜だけ購入も可能です。
銭湯の上階と、近隣の建物でアパートも経営。入居者は銭湯無料、サウナは半額という特典があり現在は満室だそう。
スポット情報

クアーズMISAKI

■住所:神奈川県三浦市天神町7-11
■電話番号:046-881-4171
■営業時間:15:00〜22:15
■定休日:毎週月曜日・木曜日 詳しくは店内カレンダーにて
■アクセス:京浜急行「三崎口」からバスで15分 「天神町」バス停から徒歩3分
■URL:https://misaki-no-sentou.jimdofree.com/

この記事を書いた人

田窪 綾

ライター

田窪 綾

調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成、レシピ提案などを行っています。

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