元は歯科医院だった一軒家につくられた小さな醸造所「三浦ペニンシュラビール」。2025年、そこで生まれた記念すべき第一作目のビールに「海街ペールエール」と名付けられました。

使用しているのは麦芽・ホップ・水・酵母という伝統的な原料のみですが、その爽やかな口当たりに、パイナップルやグレープフルーツなどのフルーティーさを感じられます。焙煎して24時間以内のモルトを使用しているので、苦みが穏やかでクリーンな味わいです。
代表である廣瀨静佳さんは「良い日も悪い日も、スッと心に入り寄り添える存在でありたい。皆さんの日常に溶け込むようなビールを目指している」と話します。

なにげない雑談から生まれた、
家族の新しい挑戦
創業のきっかけは、廣瀬さんのお父様の訃報でした。葬式を終えて一人残された母を想っていると、ふと献杯に掲げたビールが目に入ったそうです。

「重たい空気を紛らわせるように、“皆でビールをつくったら面白いかも”と口にしました。そうしたら母が目を輝かせているのが見えて……。本格的に話し合ううちに色々と算段がついたので、本腰を入れました」
廣瀬さんはそこから新たな挑戦に邁進します。ビールタンクの購入、醸造所の設計、歯科医院の改修工事、酒類醸造免許の取得など、一歩ずつ夢に近づくたびに家族に笑顔が生まれていきました。そして、廣瀬さんいわく「運命的に」出逢った醸造家・柳町みゆきさんと、お母さま・直子さんの3人体制で三浦ペニンシュラビールがスタート。

しかしビール醸造は、副業としての挑戦となりました。廣瀨さんは普段は食品輸出のバイヤーとして、柳町さんはバイオ企業で商品開発のマネージャーとして本業に勤しむので、タンクの発酵チェックなどを行うのは基本的に直子さんひとり。

直子さんは日々酵母と向き合う中で、目に見えない相手でも「まるで生き物を育てている感覚」だと目を細めます。


「海街ペールエール」は
まだまだ進化中
創業から半年が過ぎ、ケグ(ビール樽)で地元のカフェや都内の飲食店に卸すほか、休日には三浦半島や東京、千葉などで開催されるイベントに出展して、自分たちのビールを広めています。今後は「瓶詰めをして、道の駅や産直所でも販売する予定」だと廣瀬さんも意気込みます。
でも自社の顔である「海街ペールエール」は、実はまだまだ進化の途中のようです。
「うちでは素材の風味や香りを大事にしており、特に海街ペールエールはモルトのコクが感じられる一杯を目指してきました。ただ、イベントでお客さまとお話する中で、日本では喉越しと炭酸感を好む方が多いと実感したんです。そこでモルティなコクに加え、喉を気持ちよく刺激する炭酸を増やすなど、より満足のいく一杯に向けて進化を遂げている最中です」

爽やかな風味を残しつつ、モルトのコクや旨みを加えられないかとバランスを模索中なのだとか。これからどのように進化をしていくのか楽しみです。
海風のように爽やかで優しいその一杯が、もう少しでみなさんの手に届きます! ぜひ楽しみにしていてくださいね。

取材日 2025/08/21
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。




スポット情報
三浦ペニンシュラビール
■住所:神奈川県横須賀市長井1丁目22−15
■電話番号:050-8889-3378
■営業時間などの情報:
■定休日:
■アクセス:京浜急行バス「長井」徒歩1分
■URL:https://mp-beer.com/
■Instagram:https://www.instagram.com/miura_peninsula_beer