【三浦】一度食べたら他のナスには戻れない 須原農園こだわりの「実生ナス」とは?
2026.04.07
三浦

【三浦】一度食べたら他のナスには戻れない 須原農園こだわりの「実生ナス」とは?

うみのとなり

ライター

うみのとなり

三浦海岸駅から徒歩5分。のどかな畑の一角に、夏になると艶やかに実る“とろけるナス”があります。「一度食べたら、もう他のナスには戻れない」—そう話すのは、400年続く農家「マルニ須原農園」の16代目・須原庄一さん。

味を追求した品種選び

「ナスはね、このサイズが食べごろなんですよ。」
そう話すのは、三浦半島の風土を知り尽くした農園主・須原さん。須原農園で栽培されているのは「千両ナス」という品種。数ある品種の中から辿り着いたのが、このやわらかな果肉と甘みを兼ね備えた逸品です。
「うちのナスを食べたら、他のナスには戻れない」と須原さんが笑う姿には、誇りと確信がにじんでいます。

朝露が残るうちから、毎日収穫作業を行います。ナスは一晩で大きく姿を変えるため、その一瞬を逃さず収穫するのは、熟練の目利きにかかっています。
最盛期の9月には、一日に200キロものナスが手際よく摘まれていきます。ナスの生育を促すための重要な剪定も同時に行います。

風土に寄り添う
栽培スタイル

約20アールの畑に並ぶ、約450本のナス。5月下旬に植えた苗は、夏の陽射しを浴びながら、2メートル近くまでぐんぐんと伸びていきます。
実は、ナスは水を好み、風には弱いデリケートな作物のため、三浦半島の強風はナスにとっては過酷な環境です。しかし、須原農園の畑はすり鉢状の地形になっているので、風を遮り、水分を保ちやすくしてくれるのです。この“風の陰”の恩恵が、ナスの生育に良い影響を与えています。

“美味しさ”を信条に
手をかけて育てる

「効率より、味を選びたい」という須原さんは“自根栽培”という手間のかかる方法を採用しています。
化学肥料に頼らず、米ぬかなどを配合したオリジナルの堆肥を1年かけて熟成させたものを混ぜています。
「この畑の、この土と栽培方法が最高の味を作ってくれる」
自根栽培で育てたナスは「実生ナス」と呼ばれ、一口で違いがわかる美味しさです。

漁師の血を受け継ぐ
“土の匠”

三浦海岸で農業を営む、マルニ須原農園は、農園主・須原庄一さん、妻 美乃里さん、娘 紫苑さんの家族経営です。約400年前、初代・仁左衛門さんがイワシを追いかけて三浦の地に来て住み着き、3代前までは「網元」でした。農家出身の祖父が家督を継ぐことになり、漁業から農業に転換しました。
庄一さんは16代目として、須原家を守り続けています。

将来の三浦の農業のために

「ナスを始めて5年。最初の3年はモノにならなかった」
夏はメロン・スイカを中心に、冬は大根をメインに栽培するなかで、できるだけ多品種を栽培したいと、様々な作物に挑戦しています。5年前から、三浦では珍しい玉ねぎの栽培を始めました。

「三浦の農業は、高齢化や後継者不足が進み、このままでは10年後には今の農業を続けていくのが難しくなるかもしれません。だからこそ、時代に合った新しい流通の形を模索する必要があります」
そんな中でも、須原農園が大切にしているのは、「おいしい」という価値を次の世代につなげていくこと。さらにSNSを活用した情報発信にも力を入れ、新しい農業のスタイルで野菜のおいしさを伝えています。

須原農園のナスが市場に並ぶのは、夏から秋にかけての約3カ月。
7月に始まり、9月にピークを迎える収穫期は、まさに味わいの最高潮。太陽の光をたっぷり浴び、朝露とともに摘まれるナスは、皮は艶やかに、果肉はしっとりと甘く旨味たっぷり。
市場への出荷に加えて、直売所でも購入可能。産地ならではの鮮度と風味を、ぜひ味わってみてください。

取材日 2025/7/31
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

ギャラリー

珍しい白ナスも栽培。とろける食感が魅力です。
直売所には新鮮な野菜が格安で並びます。ご近所の方はもちろん、飲食店の仕入れに訪れる人も。
須原農園直売所の看板ヤギの「うーちゃん」は人懐っこくて大人気。
スポット情報

店舗名:マルニ須原農園
住所:神奈川県三浦市南下浦町上宮田1189
電話番号:046-888-0905
営業時間:直売所 9:00〜16:00(なくなり次第終了)無人販売になる時間帯も有り
定休日:不定休
アクセス:三浦海岸駅下車、徒歩5分
URL https://www.instagram.com/maru2suharanouen/

この記事を書いた人

うみのとなり

ライター

うみのとなり

横須賀在住取材ライター。マーケティング視点を強みに、「読まれる記事」「届く発信」で、地域の魅力と価値を発信中。Yahoo!ニュースでは月間MVAを4度受賞、実績に裏付けられた発信力あり。日本テレビ、大手・地域メディアで多数執筆し、約1000件以上の実績あり。農業・グルメ・観光・イベントまで幅広い分野を網羅、行政や企業とのタイアップ実績も多数。

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