旧東海道の品川宿をお散歩しました【新馬場駅

京急本線「新馬場駅」を出て3分ほど歩くと、旧東海道が南北に伸びています。江戸時代には日本橋を出発して最初の宿場町として、多くの旅人が行き交う街だったとか。

品川宿が賑わいを見せていた江戸時代から400年以上経った今でも楽しめる場所があると聞いて、さっそくお散歩してきました。

今も昔も、旅の途中の憩いの場

旧東海道に「旅」をテーマにしたブックカフェがあります。その名も「KAIDO books&coffee」。

引き戸を開けて入ると、本屋さんのような雰囲気もあり、自宅のような雰囲気もあり。店員さんの「いらっしゃいませ」が心地よく響く空間で、吸い込まれるように中に入っていきました。

1階は旧東海道に面していて、通りを行きかう人を感じるにぎやかな雰囲気。店内でも友達同士でおしゃべりをしたり、お子さん連れのママがお茶をしたりと誰でもが過ごしやすい空間です。

コンクリートがむき出しの無骨な階段をのぼっていくと、空気が一変。壁一面が本棚で、静かな空間が広がります。

光が差し込む窓際の席、本に囲まれた中央の席、ゆったりとした壁際のソファ席…。好みの席で、本との時間を楽しむことができます。 置かれている本も1階よりコアなものが多いのだとか。北海道から沖縄まで1万冊以上の「旅」をテーマにした本が並びます。

和気あいあいとした雰囲気の店長(右)と店員

2階には店長の思い出もつまっています。

店内で使われているイスの一部は、店長の母校から譲り受けたものだそう。言われなければ気が付かないほど店内の雰囲気に溶け込んでいます。

看板メニューは、店舗から100m離れた自社工房で作っているソーセージとクッペパン(=ソフトフランスパン)を使った「KAIDO DOG」(税込900円)です。

2025年11月から北品川「いのパン」のハードバケットも選べるようになりました。

ソーセージは皮がなく低温でじっくり焼いているので、小さなお子さんでもご年配の方でも食べやすい柔らかさ。添加物なし、発色剤なし、つなぎなしというソーセージは肉本来の味わいを楽しめます。

イートイン税込600円/テイクアウト税込500円
★店主(左)と犬歓迎デザインのシール付き

もう一つの看板メニューは生(なま)スコーン。

「生」という名前の通り、驚くほどにしっとりとしたスコーンです。生クリームとバターをふんだんに生地に練りこむことで、しっとり感を実現しているのだそう。

2015年の開店当時から販売していますが、コロナ禍以降は売り上げの7割がスコーンだというほどの人気急上昇中の一品です。

今回いただいたのは、皮つきリンゴが入った冬限定「セミドライアップル」。カカオニブ(砕いたカカオ)がいいアクセントになっています。

リンゴは長野県飯田市のもので、リニア鉄道が開業したら30分で行けるということから”未来のご近所づきあい”をしているのだとか。

KAIDO books&coffee

■住所:〒140-0001 東京都品川区北品川2-3-7
■電話番号:03-6433-0906
■営業時間:9:00~17:30
■定休日:月・火曜日
■アクセス:京急本線「新馬場駅」徒歩3分
■WEBサイトURL:kaido books&coffee
■Instagram:KAIDO books&coffee / 生スコーン / ブックカフェ(@kaido_booksandcoffee) • Instagram写真と動画
※スコーンの焼き上がりは、インスタグラムのストーリーで発信しています。

■スポット情報:https://newcal.jp/spot/SNA000004

品川宿の歴史を伝える

「KAIDO books&coffee」でおなかを満たした後は、旧東海道品川宿を少しお散歩。休憩したくなった時に便利なのが、「品川宿交流館」です。

1階は無料の休憩所と駄菓子屋「またあした」、2階は品川宿の資料展示室になっています。

2階の展示室中央にあるのは、明治14年の地図に現在の名所を重ね合わせた模型。今は陸地だけど、昔は海だったなど土地利用の変遷を見ることができます。

京急本線の駅でかつて使われていた駅看板も保存されています。「北馬場駅」と「南馬場駅」がくっついて現在の「新馬場駅」になったのだそう。当時のまま残っているビス穴に時代を感じます。

持ちあげられないほど重い…

2005年から駄菓子屋「またあした」の店主を務めているのは地域のおばちゃん。壁面に「おばちゃんからのお願い」と書かれた手書きの注意書きがあり、なんとも温かい雰囲気です。

子どもたちが自分で代金計算をしやすいように、商品配列を考えるのが開店前の日課なのだそう。 駄菓子にも物価高の波が押し寄せているとのことですが、子どもたちが少しでも多く買えるように仕入れ先の工夫が欠かせないと話します。

駄菓子屋「またあした」店主のおばちゃん

駄菓子屋を始める前は、北品川1丁目で雑貨屋を営んでいたとのこと。当時から55年以上使っているレトロなレジも隠れた見どころのひとつです。

京急ストアで働く娘さんと商売について語り合う時間が楽しく、今後も体力が続く限り店主を務めたいと元気いっぱいに話す80歳のおばちゃんでした。

品川宿交流館

■住所:〒140-0001 東京都品川区北品川2-28-19
■電話番号:03-3472-4772
■営業時間:10:00~16:00
■定休日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合には、翌日がおやすみです)
■アクセス:京急本線 「新馬場駅」 徒歩5分

■スポット情報:https://newcal.jp/spot/SNA000005

品川宿のお土産は…

旅の終わりには、お土産を買うのが定番。品川宿とっておきのお土産があるとのことで、西田酒店に向かいました。 見つけたのは「品川縣(しながわけん)ビール」(税込633円)。

「品川縣」は1869年2月に設置された「縣」のひとつです。その後の廃藩置県によって東京府や神奈川県、埼玉県に分割されてなくなったのだとか。「品川縣」の消滅と同時に「品川縣」にあった「日本初のビール製造所」もなくなってしまったそうです。

品川縣ビールは、日本最古の酵母「エド酵母」を使った初めてのビールを復刻したもの。

京急本線「立会川駅」周辺の商店の店主が町おこしをしようと集まり、田沢湖ビールさんの協力の元、2006年に完成させました。

ほんのりと赤みがかった品川縣ビールは、苦みが少なく、とてもコクがある味わいです。そのコクの中に、日本初のビール製造所で働いていた方、それを復刻するために奮闘した方……色々な方の思いや歴史が詰まっているように感じます。

西田酒店

■住所:〒140-0004 東京都品川区南品川1-7-23
■電話番号:03-3471-7974
■アクセス:京急本線「新馬場駅」徒歩5分
■WEBサイトURL:品川縣ビール公式オンラインショップ (品川縣ビールの通信販売サイト)

■スポット情報:https://newcal.jp/spot/SNA000006

品川宿を未来へつなぐ

品川宿を散歩したら、歴史を大事にしながらも今の品川宿が大好きな人たちに出会うことができました。昔と変わらず、品川宿は今も人々が立ち寄り、にぎわい、思い思いの過ごし方をしてまた旅立っていく場所でした。

Weavee地域ライター/松井 美智子