
浦賀駅から街道沿いに進むとある、日本茶カフェ/日本茶専門店「茶井(ちゃい)」。ここはプロが入れた日本茶が飲める店として知られています。

お茶を淹れるのは、店主であり、日本茶インストラクターの資格をもつ佐藤国久さん。独自に研究を重ね、お湯の温度、茶葉の種類、抽出時間などを徹底的に見極め、その茶葉が最も美味しく飲める一瞬をお客さまにお届けしています。
なかでもおすすめは、日本茶の“飲む”だけではなく“体験できる”という看板メニュー「一滴茶コース(星野玉露)」(1,000円・税込)です。

一滴に凝縮された“旨みの衝撃”
「このコースはまずは、お湯を冷ますところから始まります」と、鉄茶釜で熱せられたお湯を静かに茶器へ移す佐藤さん。茶器から茶器へと次々にお湯を渡すことで、熱を逃がしていきます。

その間の時間は、お客さまと語り合うひととき。中国から日本へと伝わり、独自の文化を築いた茶の歴史を話題に花が咲きます。
そして30度まで冷ましたお湯で、福岡・八女市の「星野玉露」を淹れると、透き通ったレモン色の茶が現れます。

「一滴ずつ味わってみてください」と勧められて唇を寄せると、まさに衝撃が走りました。淡い色にもかかわらず、その一滴は濃厚で重く、玉露の旨みと甘みを凝縮したような味わいが舌に響きます。

「甘味や旨味の成分であるアミノ酸は低温で、カフェインやカテキンは高温で抽出されます。だから温度を下げて淹れると、日本茶の純粋な旨味だけを味わえるんです」

続いて、約80℃のお湯で淹れた深緑色の二煎目を口に含むと、やわらかな口当たりと、ほのかな苦味が先ほどの衝撃を包み込みます。
コースの締めは、スプーンでいただく茶殻。食物繊維とビタミンEたっぷり含む茶殻はあっさり味で、醤油と和えて食べると青菜のお浸しのようで、意外な美味しさに驚かされました。

三代にわたる店の歩みと、
茶の道への転換
「元々は、祖父の代にお茶と乾物の店として始まり、父の代でミニスーパーに。コンビニが生まれる前の時代に、金物からアイス、アジの開きまで揃う店でした。でも、いつの時代も日本茶と乾物だけは必ず扱っていたんです」

しかし三代目の佐藤さんは大学時代はコーヒーに魅せられ、某大手コーヒーチェーンに就職。喫茶店開業を夢見ていましたが、バブル崩壊後の東京では理想の物件と出会えず、浦賀に戻られたそうです。
「家業を手伝うなら、しっかり力を入れたい。主力商品の日本茶や乾物の仕入れを買って出て、全国津々浦々の生産者を訪ねました。その中でだんだんと日本茶の奥深さに気付いていったんです」

今でも産地に足を運び、畑の状態、肥料、栽培方法、製茶の工程を自ら確認して、茶葉を仕入れているという佐藤さん。仕入れで最も重視しているのは、対話の中で感じる“茶づくりに対する熱意”なのだそう。
「どんな茶葉をつくりたいか、品質にも味にもこだわりを持って仕事をしている方の熱量は肌で感じられます。職人魂が伝わってくるところは、やっぱり美味しいですね」


作り手の想いを知っているからこそ、その茶葉がもつ魅力を最大限に生かして淹れたい。「一滴茶コース」は生産者の想いと、佐藤さんの探求心がひとつになったものです。 ただお茶を飲むだけでなく「茶の本質を体験する時間」をぜひ体験してみてください。

取材日 2025/10/21
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。





スポット情報
日本茶カフェ/日本茶専門店「茶井」
■住所:神奈川県横須賀市浦賀3-1-10
■電話番号:046-841-0713
■営業時間などの情報:11:00~18:00
■定休日:
日曜・月曜 ※開店状況はグーグルマップにてお知らせ
■アクセス:京浜急行「浦賀」徒歩1分
■URL:https://www.e-chai.jp/cafe/