
西浦賀にある観光農園「ファーマシーガーデン浦賀」。浦賀湾を望む丘陵地では、年中緑に溢れる風光明媚な風景のほかに、初夏にはブルーベリー狩り、冬にはレモン狩りを楽しめます。そして、それら果樹園の近くに連なった箱の中には、なんと100万匹もの蜜蜂が暮らしています。

農園責任者の武藤明さんに話を伺うと、養蜂を始めてからもう10年が経ち、農園の果樹から採られた純粋蜂蜜「浦賀砲台蜂蜜」は瓶詰で販売するほか、横須賀市内のスイーツ店にも提供しているのだとか。
ストレスなく伸び伸びと
蜜を採取する蜜蜂たち

「ファーマシーガーデン浦賀」の蜂たちは、園内の植物から蜜を採取します。蜂の飛行範囲は2~3kmなので蜜源を園内でまかなうことができ、農園管理には基本的に薬剤や農薬を使用していないため、蜂の飼育にベストな環境だそうです。
「うちでは蜂にできるだけストレスを与えないように燻煙器や抗生剤などの薬剤を使わずに飼育し、蜂の餌には彼らが採った蜜を与えています。蜂蜜にはビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、蜂自体も抵抗力がつくだけでなく、味が濃厚になっていきます」

しかし養蜂を始めた当初は蜂を越冬させられず、蜜もごくわずかな量しか採れなかったそうです。そこでアドバイザーに養蜂家・谷口侑太さんを迎えたところ、生産力が向上して今や年間300kgも収穫できるようになりました。
「現在は東京農大生3人、スタッフ1人の5人で管理しています。収穫量は増えましたが、まだ需要に追い付いていません。なので、当園としては手を広げすぎず、“妥協しない蜂蜜づくり”に専念しています」
自然任せだからこそ
味わいの変化を楽しめる

スタッフの足立さんが巣箱から巣枠の板を取り出してくれました。一面にはびっしり蜜蜂がついていて、なんだか可愛らしい。取材した6月末は巣箱の中でホバリングをして、採取した蜜の水分を飛ばして固める時期だそうです。

一部巣枠からはみ出てしまった巣があったというので、特別に蜂蜜をいただくことに。巣を千切ると、まだ水分が多い蜜が垂れだします。慌てて口に入れると、雑味のない、自然な甘みが口の中に広がり……採れたての蜂蜜の美味しさにただただ、感動しました。

「園内では蜜源を増やすために、毎年植栽や種まきをしています。最近はクローバーを植えました。季節が深まるとだんだんと蜜の色も味わいも濃くなっていきますよ」

桜やレモンの木付近に巣箱を置いて採蜜を促していますが、蜂の制御はできないため、販売時に「桜みつ」や「檸檬みつ」と名前がついていても同時期に咲く別の植物の蜜も含みます。
だからこそ毎年味に変化があり、スタッフの方々は毎年ソムリエのように様々な蜜源を植栽して、味を試しているそうです。武藤さんは今後、「桜みつ」の味わいの変化に注目してほしいと話していました。

「園内には山桜、ソメイヨシノ、(八重桜/大山桜)がありますが、3年ほど前に熱海桜や河津桜を植樹したので、あと2~3年で花をつけます。そしたら1月中旬から4月いっぱいまで桜が咲くようになるので、蜜の風味が変わります。どのように味が変わるのか自分たちもわからず、今から楽しみにしています」
取材日 2025/6/26





スポット情報
ファーマシーガーデン浦賀
■住所:神奈川県横須賀市西浦賀6丁目10周辺
■電話番号:080-3512-9791(平日9時~17時まで)045-717-5663 (不定休)
■営業時間などの情報:完全予約制 ※詳しくはHPをご覧ください。
■定休日:不定休
■アクセス:京浜急行「浦賀駅」/「京急久里浜駅」より京浜急行バス「燈明堂入口」徒歩10分
■URL:https://mutsumi-group.com/farmaseagardenuraga/