【横須賀】山上大輔さんが作る唯一無二のスカジャン「ドブ板コーバスタジオ」
2026.04.12
三浦

【横須賀】山上大輔さんが作る唯一無二のスカジャン「ドブ板コーバスタジオ」

小林有希

ライター

小林有希

ドブ板通りの原風景。
オーダーメード刺繍ができるお店

横須賀ジャンパー、通称「スカジャン」の発祥地であるドブ板通り。70年以上前、この商店街には刺繍店が並び、米軍駐留兵はジャンパーに和柄の刺繍を入れて、帰還時のお土産にしていました。

既製ジャンパーの販売店が増える中、「ドブ板コーバスタジオ」では昔ながらに刺繍をオーダーメードできます。

ドブ板通りに巻き起こる
「オーダーメード」
刺繍の旋風

開業して2年、店主の山上大輔さんは全国から来店されたお客さまの要望に応えて、数々の刺繍を施してきました。中には、かつてのように駐留記念にオーダーされる米軍の方もいるようです。

YouTubeや各種メディアで取り上げられると、イラストレーターの五月女ケイ子さん、芸人のケンドーコバヤシさん、くっきー!さんなど、著名人からの依頼も受け、「常に自分の技量を試されていると感じる」と話していました。

オーダーメード刺繍は基本的に事前予約制で、メールやInstagramから申込できます(ジャケット代11,000円~のほか、後身頃・特大サイズ 刺繍代44,000円・すべて税込)。

ベースとなるジャケットをセレクト後、デザインの詳細を伺ってから、写真やイラストなどを参考に刺繍作業に入ります。来店が難しい場合は、メールやSNS上でのやりとりでも可能ということなので、気軽にお問い合わせください。

師匠・松坂良一さんとの
出会い、学んだこと

山上さんがスカジャンの刺繍の虜になったのは、2017年。完全フルオーダーのオリジナルスカジャン製造販売店「ファースト商会」の店主・松坂良一さんに、自身が描いたイラスト入りのスカジャンを注文したのがきっかけでした。

「イラストの再現度はさることながら、刺繍の緻密さに驚きました。また、人が自分の絵に似せようとした感じや修正した跡など、刺繍に残る人間の痕跡に夢中になって……」

気が付けば松坂さんに頼み込み、基本的なミシン操作や横文字の入れ方などを教わっていたそうです。

師匠と自身の刺繍を見比べながら、山上さんはこう話します。

「同じ図案でも10人に縫わせたら10通りの表情ができるように、刺繍には人柄が宿ります。不思議と、そこに技術の巧拙は関係ありません」

オーダーメードの刺繍の魅力は機械では再現できない、その「人柄」にあるのだといいます。

「師匠の輪郭をとった絵を細かく塗りつぶすさまには実直さ、刺繍の絵の愛嬌のある表情には優しい人柄を感じます。そして、何より少しでも良いものを残そうとミシンに向かい続けた結果生まれる力強さ。そこに人は魅力を感じるのでしょう。僕自身がそうでしたから」

師匠から受け取った“職人の矜持”を胸に抱きながら、自身が感じた想いを次の世代に伝えるべく、今日も山上さんはミシンと向き合います。

取材日 2025/1/17

スカジャンは元々、米軍兵が駐留した国にまつわるモチーフを刺繍した「スーベニアジャケット」です。そんなサブカルチャーを表現したタペストリーが、ドブ板通りではためいています。
オーダーメード刺繍は「純粋にお客さまの絵柄と想いを形にするために、見たまま縫う」ように心がけているよう。一方でご自身のデザインは「こだわりすぎず、スカジャンらしい“ゆるさ”を残しながら“完璧”を目指す矛盾を楽しんでいる」のだとか。


師匠・松坂さんの作品は絵本やアニメのような可愛らしさがあります。師匠の作品は「道に迷ったときに都度研究できる、自分の大切な財産」と山上さんは話します。
「yokosuka」の部分はどこも同じような筆記体に見えても、実は店舗ごとの「サイン」が隠れていると言います。「ファースト商店」の場合は、最後「a」の尾びれの長さ。
松坂さんに最初に依頼したスカジャン。イラストレーターとして「デザインフェスタ」へ出展する際に、自身のイラスト入りスカジャンを着れば、良い宣伝になるだろうと考えて依頼したそうです。
スポット情報

Dobuita Koba Studio

住所 神奈川県横須賀市本町2-1
電話番号 046-890-6041
営業時間などの情報 11:00〜18:00
定休日 水曜
アクセス 京浜急行電鉄「横須賀中央」徒歩7分
URL https://www.instagram.com/dobuita_koba_studio/

この記事を書いた人

小林有希

ライター

小林有希

東京在住フリーライター/Web編集。2016年にアパレル企画兼バイヤーを辞めて、ライターに。 紙、WEB問わず企業PR、ファッション、アート、地域、建築、教育、働き方など多分野で執筆中。

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