大正時代創業の老舗「菊秀刃物店」、四代目・髙橋さんが年間2000本以上を研ぐ伝統の職人技に加え、スマホゲームとのコラボで新たなファン層を開拓。創業100年の老舗が現代カルチャーと融合し、横須賀から包丁文化の新しい可能性を発信しています。
知られざる「研ぎ」の
奥深き世界

「シャッ、シャッ…」と砥石に包丁が触れる音が響く店内。
錆を丁寧に落とし、バフで磨き、そこから砥石による研ぎの工程へ。粗い砥石(荒砥)から細かい仕上げ砥へと段階を踏むことで、包丁本来の切れ味とバランスがよみがえります。

「先端だけを研いでも意味がありません。全体の厚みを確認しながら、包丁全体を整えることが大切なんです」
幼い頃から祖父に刃物研ぎを教わり、小学生で鉋(かんな)を研いでいたという店主・髙橋さんは言います。

数分のうちに、刃が新品のような輝きを取り戻し、新聞紙をなぞるだけでスッと切れるほどの鋭さに。状態の良い包丁なら30〜40分で仕上がりますが、錆びや刃欠けがひどい場合は、機械を使って半日かけて修復することもあるそう。確かな技術に裏打ちされた信頼。多くの人がこの店を訪れ、愛用の一本を託していきます。
20年以上、年間2000本以上の包丁を手がける髙橋さんの技術を求め、プロの料理人や一般家庭の人々が、愛用の包丁を手に店を訪れます。某有名ホテルのナイフのメンテナンスも任されています。
大正時代から続く
「菊秀刃物店」

横須賀中央駅から徒歩5分のところ、三笠ビル商店街に大正時代から続く老舗刃物店「菊秀刃物店」があります。店内には、包丁をはじめ、はさみやのみなど、全国の職人が丹精込めて作った逸品が並びます。サイズ、形状、価格もさまざまですが、「高価なものが良い」とは限りません。
「その人の生活スタイルに合った一本を選ぶことが一番大事です」と話す髙橋さん。的確なアドバイスと丁寧な接客で、一人ひとりにぴったりの道具を提案してくれます。「きちんと研いで手入れをすれば、包丁は何十年、あるいは“一生もの”として使えます。買い換えるよりも、長く使う方が手に馴染み、安全性も高まるんですよ」
世界から訪れる“聖地”へ

2022年には、横須賀市と人気ゲーム『アズールレーン』のコラボイベントに協力店舗として参加した「菊秀刃物店」。店内には、ファンから寄せられたグッズが飾られ、訪れた人々の心を和ませています。
「ちょうどコロナ禍だったので、こうした市の取り組みや足を運んでくださったお客様には本当に感謝しています」

イベントをきっかけに、これまで包丁に興味のなかったファン層がコラボ商品を購入し、結果として日本の“包丁文化”の発信にもつながったと言います。
「喜んでもらうことが、
すべての始まり」

「お客様に喜んでいただくことを第一に考えています。そうすれば、利益は自然と後からついてくるものなんです」歴史ある職人の刃物を販売し、包丁を研ぐという仕事には、「人々の暮らしをもっと豊かにしたい」という、秘めた思いが込められています。
「都市開発や地域の活性化についても、“今の若者たちが30年後に安心して暮らせるまち”を目指すことが大切だと考えています」横須賀の未来を見据えながら、目の前の一本に全力を尽くす。髙橋さんの手が、お客様の日常を静かに、支え続けています。
菊秀刃物店の商品はオンラインショップでも購入可能。横須賀市のふるさと納税返礼品として、高級包丁や包丁の無料研ぎサービスも提供しています。
取材日 2025/6/18
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
ギャラリー



スポット情報
店舗名:菊秀刃物店
住所:神奈川県横須賀市大滝町2-20
電話番号:046-822-2480
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜
アクセス:横須賀中央駅から徒歩5分
URL https://kikuhidehamono.com