【横須賀】宝石箱のような前菜。北イタリア仕込みの隠れ家Osteria Il giglio
2026.04.01
三浦

【横須賀】宝石箱のような前菜。北イタリア仕込みの隠れ家Osteria Il giglio

うみのとなり

ライター

うみのとなり

  • #グルメ

横須賀中央駅から徒歩8分。米が浜通りに佇む「Osteria Il giglio(オステリア イルジリオ)」は、北イタリアで研鑽を積んだシェフ・井谷謙太さんが営む隠れ家イタリアンです。

前菜の盛り合わせ  900円(1人分)


運ばれてきた瞬間、思わず「わあ」と声がこぼれてしまいます。
色とりどりの小皿が並ぶ様子は、まるで宝石箱のよう。ひとつひとつに、丁寧な仕事と物語が宿っています。パルミジャーノ・レッジャーノをふんわりと仕立てたムース、レンズ豆のサラダをのせたスプーン、里芋やごぼうを使ったアラビアータ。そして、セモリナ粉で作る「ニョッコ・ロマーナ」が、可愛らしく並びます。
さらに、トウモロコシのペーストを揚げたポレンタや、市場から仕入れたイワシのカルパッチョが皿を彩ります。

丸いのは自家製のニョッコ・ロマーナです。セモリナ粉を丁寧に練り上げた生地は、驚くほどふわふわ。口に含むと、すっとほどけるように消えていきます。その横にあるのは、石臼でひいて作ったトウモロコシをペースト状にしたポレンタのフライです。イタリア北部で主食として食べられる定番料理だそう。

表面はカリッと香ばしく、中はやさしい甘み。トウモロコシの風味がふわりと広がり、食感のコントラストが心地よく、ついもう一口と手が伸びます。魚介は、その日の朝に市場で選び抜いた横須賀産のイワシを使用。野菜は契約農家から届く三浦野菜。どれも素材の力強さが、まっすぐに伝わってきます。

手間を惜しまない、ハムとムース

岩手県「久慈ファーム」から届く豚肉を使った自家製プロシュート・コットも見逃せません。塩漬けから火入れまで4時間以上をかけ、仕上げにほんのりと燻製の香りをまとわせています。しっとりとした口当たりと、やさしい旨みが印象的です。

そして、この盛り合わせの“主役”とも言えるのが、パルミジャーノのムース。
チーズの王様・パルミジャーノに生クリームと白ワインを合わせ、濃厚でありながら驚くほど軽やかに仕上げています。ローズマリーが香る自家製パンにのせれば、思わず目を閉じたくなるような、幸福なひと口が訪れます。どれも食べたことがない素朴で味わいの深い料理たち。説明を聞いているうちに、イタリアの牧歌的な風景が自然と思い浮かんできます。

白ワイン(グラス900~1,000円)とも相性抜群。前菜を少しずつ味わいながら、ワインを傾ける時間は、まさに至福のひととき。店内には、イタリアから直輸入した地ワインも豊富に揃います。

20年の歳月を経て、
故郷へと続く道

横須賀中央駅から徒歩8分、米が浜通りに佇む「Osteria Il giglio(オステリア イルジリオ)」。2022年にオープンした、隠れ家のようなイタリア料理店です。店を一人で切り盛りするのは、地元・横須賀育ちのオーナーシェフ、井谷謙太さん。
調理師学校を卒業後、横浜で働いたのちイタリアに渡りました。帰国後は東京・神楽坂の名店で料理長を務めてきました。40歳を前に「やはり故郷で店を開きたい」と決意。慣れ親しんだ横須賀の空気の中で、自身の料理を届けたいという想いが、「イルジリオ」を形づくっています。

井谷さんがイタリアへ渡ったのは、28歳のとき。
多くの日本人が訪れる観光地ではなく、「まだ日本で知られていない郷土料理」が息づく土地を求め、文化が交差する北イタリアの国境沿いの地域で3年間を過ごしました。現地で触れたイタリア人の姿は、「明るく陽気」というイメージとは異なり、驚くほど真面目なものでした。
休むときはしっかり休み、仕事に向き合うときは徹底的に集中する。そのメリハリのある生き方と、土地の暮らしから生まれた料理との出会いは、何よりの財産となりました。

「百合の花」に込めた、二つの故

「イル・ジリオ」はイタリア語で「百合の花」という意味。これは修行したフィレンツェの市章であるとともに、故郷・横須賀の市花(ハマユリ)でもあります。イタリアと横須賀、二つの故郷を繋ぐ架け橋になりたいという願いが、この名前に込められています。
「お客様に美味しいと喜んでもらえた時が一番楽しい」と井谷さん。 物価高騰の波が押し寄せる中でも、「2000円を超えると敷居が高くなってしまうから」と、ランチの価格を抑える努力を惜しまないその姿勢には、料理への情熱と、訪れる人々への深い愛情が滲み出ています。
アラカルトで、前菜やワインに合うプレート、パスタなども豊富に揃います。ポレンタは単品(600円)での注文も可能です。カウンターという特等席で、シェフの鮮やかな手さばきを眺めながら味わう一皿一杯。横須賀の「イルジリオ」には、お腹だけでなく、心まで満たしてくれる物語が詰まっています。

取材日 2025/11/17
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。

ギャラリー 

常時、赤・白あわせて10種類ほどが揃い、グラスでも赤白各3種類、オレンジワインも楽しめます。
粒パスタに、鹿肉を使ったミートソースを合わせた、ミニャクリス 鹿のポロネーゼ(1,700円)も濃厚な味わいです。
アットホームなカウンター席の店内。一人でも友人と一緒にでも気軽に訪れることができます。
スポット情報

◾️店舗名:Osteria Il giglio (オステリア イルジリオ)
◾️住所:神奈川県横須賀市米が浜通1-3
◾️電話番号:046-874-5042
◾️営業時間:月~土、祝日、祝前日: 12:00~14:00 /17:00~23:00
◾️定休日:日曜 
◾️アクセス:横須賀中央駅から徒歩8分
◾️URL https://www.sukaichi.com/shop.php?id=2244


この記事を書いた人

うみのとなり

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うみのとなり

横須賀在住取材ライター。マーケティング視点を強みに、「読まれる記事」「届く発信」で、地域の魅力と価値を発信中。Yahoo!ニュースでは月間MVAを4度受賞、実績に裏付けられた発信力あり。日本テレビ、大手・地域メディアで多数執筆し、約1000件以上の実績あり。農業・グルメ・観光・イベントまで幅広い分野を網羅、行政や企業とのタイアップ実績も多数。

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