かつて、横須賀には約100軒もの氷屋がひしめき合っていました。しかし、時代の流れとともにその数は激減し、今や数えるほどに。昭和レトロな繁華街、若松マーケットの路地に佇む『横須賀氷業』。「氷」の灯を守り、地域と夜の街を支え続ける胸に秘められた店主の人生哲学とは?
バーボンを彩る
輝く氷の魔法

バーボンやカクテルの味わいや香り、美しさを引き立てるために、氷は欠かせない存在です。オーセンティックバー「Bar Lily Bell」では、溶けにくく、雑味の少ない良質な純氷を使用しています。
ウイスキーが注がれるやいなや、氷が透き通り、まるで宝石のようにキラキラと輝き始めます。その美しさに、思わず目を奪われます。

「Bar Lily Bell」のこだわりはダイヤ型にカットした氷。店主の村上貴士さんは「味、見た目、提供した瞬間のお客様の喜びを大切にしています。この輝きは”純氷”ならではの魅力。特注で6センチ氷を納品してくれる横須賀氷業さんがなければ、この一杯は作れません」と話します。
肉屋から転身
氷屋としての25年

横須賀有数の繁華街、若松マーケットに戦後から続く氷卸「横須賀氷業」。
店主の澤田勝彦さん(81歳)は、元々東京の精肉店の3代目でしたが、時代の変化に伴い閉業。後継者がいない横須賀氷業を継いで25年が経ちます。
現在は横須賀市、逗子市、葉山町などのホテルや飲食店、スナック、バーなど100件以上に”純氷”を卸しています。
確かな技術と
誠実さが信頼に

横須賀氷業で取り扱うのは、不純物を取り除き、48時間以上かけて凍らせた「純氷」です。透明で硬く、溶けにくいため、飲み物や食べ物の味を損なわず食材が持つ本来のうまみを引き出すことが特徴です。
1貫(約3.75キログラム)の大きな角氷を注文のサイズにカットして納品します。
「バンドソーは肉屋の時にも使っていたので勝手が分かります。力任せに切れば刃も氷も折れます」
手際よく、3センチや4センチ、6センチの正方形や長方形などに切り分けていきます。
ブロックで納品される氷にも、ひと手間を加えています。それは、納品時にあらかじめ氷に切れ目を入れておくという配慮。この切れ目があることで、店のスタッフは大きな氷の塊を安全かつスムーズに砕くことができます。

「氷屋を続ける中で、その奥深さに気づきます。配達を通じてお客様との交流が生まれ、“氷が美味しい”と言われるのが最高のご褒美。商売において大切なのは”誠実さ”。お客様に誠意を持って接することが、今につながっています」
澤田さんの氷屋としての誇りと情熱、質の高いサービスが信頼を紡ぎ、地域を支えています。
夏季は祭りやイベントの繁忙期。純氷で作るかき氷は絶品です。
角氷 1貫(550円)、ダイヤアイス 4kg (880円)、ダイヤアイス 3kg (690円)、まるい氷1個(100円)で販売しています。
取材日 2025/4/27
※掲載されている商品・情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。
ギャラリー



スポット情報
店舗名:横須賀氷業
住所:神奈川県横須賀市若松町3-8
電話番号:046-822-3209
営業時間:5月~10月 7:00~21:00 、11月~4月 9:00~21:00
定休日 :5月~10月 無休、11月~4月 日曜日
アクセス:京浜急行横須賀中央駅より徒歩5分
URL https://wakamatsu-market.jp/shop/yokosuka-hyogyo/