2013年7月、葉山の住宅街にひっそりとオープンした洋菓子店「フリューリング」。
ウィーン菓子の名店で15年修行した高橋洋行シェフが、新鮮さにこだわり丁寧に作るお菓子を求めて、連日お客さんが訪れます。
看板のザッハトルテをはじめ、焼き菓子や季節ケーキまで“本場の技”が息づく一軒です。
名店リリエンベルグの製法を受け継ぐ
「ザッハトルテ」(590円)

フリューリングのスペシャリテは「ザッハトルテ」(590円)。
高橋さんが15年修行した、ウィーン菓子の名店「リリエンベルグ」の製法を受け継いでいます。
ザッハトルテは、オーストリア・ウィーンの伝統的なチョコレートケーキ。本場のものはケーキ全体を覆うチョコレートのグラスが厚く、甘さたっぷりなのが特徴です。日本人には甘すぎるため、甘みを抑え、上質なチョコレートのおいしさを味わえるように工夫されています。
「使っているチョコレートは異なりますが、ベースはリリエンベルグと同じです」と、高橋さん。
チョコレートのグラスをていねいに結晶化させてかけることで、ザッハトルテの命ともいえるシャリっとした食感が楽しめます。

リリエンベルグとの違いは、生クリームをセットにしていること。
リリエンベルグはプラス料金で追加できるシステムですが、「生クリームがない方が好きな方もいらっしゃいますが……、私はあったほうが絶対おいしいと思って」と、高橋さんは力説します。
本場ウィーンでは無糖の生クリームを添えることが多いそうですが、チョコスポンジとその上のアプリコットジャムとの相性を考え、生クリームにはわずかな甘みをつけています。
生クリームをたっぷりとかけて、シャリシャリ、しっとりとした食感をお楽しみあれ。
本場ウィーンの焼き菓子を葉山で

リリエンベルグでの経験は焼き菓子にも活かされています。
代表的なのは「シェルクッキー」。サクッと軽い生地のバタークッキーでアプリコットジャムをサンドしています。

このほか、ココア生地の「ローズ」やほろりと崩れる「ポルボローネ」、三日月型の「バニラギプフェル」も、リリエンベルグの味を受け継いだ焼き菓子です。

「パウンドケーキもベースは同じなんですよ。葉山にもリリエンベルグのお客さまがいらっしゃるので、『近くで買えてうれしい』と喜ばれています」
師の名前からひと文字もらった店名

高橋さんは、東京・世田谷の名店「池ノ上ピエール」からパティシエとしてのキャリアをスタート。
3年勤めた後、川崎市の「リリエンベルグ」へ。オーナーシェフの故 横溝春雄さんのもとで15年修行されました。うち4年間はスーシェフとして横溝さんの右腕となり、人気店の味を支えていたのです。

葉山に自身のお店を構えたのは、2013年7月のこと。
店名の「フリューリング」はドイツ語で「春」。「門出の春」という意味に加えて、師の名前のひと文字でもあります。
「(横溝シェフは)父親のような存在です。出店場所を探す際も、ご夫妻に一緒に来てもらって。鎌倉なども検討したのですが、駐車場が必要だねと、ここに決めました」

葉山に根付いて12年。5つある駐車場は絶えず車が出入りしています。逗子駅からバスに乗って、プチ旅行気分で訪れてみてください。一口で笑顔になれるお菓子が待っています。
季節の素材を使った生ケーキは少量生産なので、前日までにお取り置きをお願いしておくと安心です。
取材日 2025/11/13
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。



スポット情報
フリューリング
■住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内563
■電話番号:046-876-7520
■営業時間などの情報:11:00〜17:00
■定休日:月・火曜日
■アクセス:京浜急行バス停「風早橋」7分
■URL:https://www.instagram.com/fruhling_725/