郵便局のお向かいで、小さな看板を掲げる「和酒ビストロKOYA」。2020年にオープンして以来、和洋折衷のセンスあふれる創作料理が評判となり、今や逗子屈指の美食店に仲間入りしました。

フレンチ出身のオーナーシェフ・小山裕太さんが、数あるメニューの中から名刺がわりの一皿に選んだのは「鰯の酢〆テリーヌ」1,680円。
頭、内臓、骨も無駄にしない。
口の中で鰯一匹を再構築
「“鰯の命を丸ごといただく”がテーマ。大羽イワシを酢〆して、鰯の出汁と一番出汁を合わせたものをプレスしてテリーヌにしています。ペーストは、頭と内臓、血を純米酒で5時間煮込んで仕上げ、中骨を1日みりん干ししてオーブンで焼いた骨せんべいも添えて。鰯をそのまま食べてもおいしいですし、ペーストや骨と一緒に食べることにより口の中で一匹の鰯が再構築される…といった楽しみ方もできます」(小山さん)

まず、盛り付け方やカットの美しさに惚れ惚れ。酢〆の加減もいい塩梅で、ワサビや塩と一緒に刺身として味わうと鰯の脂のおいしさが伝わります。肝のペーストは、コクと苦味とうまみの加減が絶妙。これだけでお酒の杯がどんどん進みますが、それを鰯に乗せて味わえば、さらにうまみが倍増し最強の酒肴に。骨せんべいの香ばしさもアクセントになり、ひと皿で何通りもの味わいを発見できる楽しい逸品となっています。
料理の考え方を180度変えた
居酒屋との出会い

“ビストロ”と謳っていますが、黒板メニューを見ると白和えや春巻き、ポテトサラダにミートソースパスタやカレーなど、ビストロ料理らしからぬメニューも顔を覗かせます。

「16年間フレンチのシェフをやってきましたが、独立する店では居酒屋をやりたかったんです。でも実は、29歳まで居酒屋が大嫌いで一切行きませんでした。フランス料理や懐石料理のほうが学びがあると無意識に思っていて、居酒屋には学ぶものがないと決めつけていたんです。でも妻が居酒屋が好きで一緒に行くようになったら、『この価格でなぜこんな料理が出せるんだ』『この食材でこんな料理が作れるんだ』と発見だらけでした」

そこから、料理への向き合い方が180度変わったと話す小山さん。フレンチやイタリアンの“料理はこうでなければいけない”という縛りから離れ、ジャンルレスな創作料理を提供する居酒屋として独立することに。

「居酒屋って“うまいもんや”だと思うんです。いろんな料理があって、お客さんがこれ食べたいあれ食べたいといったら、食材があればリクエストに応えて。そんな店をやりたいなと。店名にビストロと付けたのは、自分の軸となっているフレンチへのオマージュです」
目指すのは
「子育てと共存できる店作り」

小さな子を持つパパでもある小山さん。子どもが小さい頃は奥さまがおんぶをして店に立っていたそうで、「子育てと共存した店作りを目指しています」と話します。
子連れでも気兼ねなくおいしいものを食べに来られて、ほかのゲストもそれを微笑ましく迎えてくれる。そんな和やかなムードが広がるのものんびりとした逗子の風土であり、この店の魅力に繋がっています。
取材日 2025/9/5
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。




スポット情報
和酒ビストロKOYA
■住所:神奈川県逗子市逗子5-4-37
■電話番号:046-884-8077
■営業時間:17:00〜23:00
■定休日:無休
■アクセス:JR横須賀線逗子駅から徒歩7分
■URL:http://koya-zushi.com
■Instgram :https://www.instagram.com/washu_bistro_koya/