【逗子・葉山】魚のさばき方を伝授!朝採れの魚と野菜を味わう「more Fish葉山」
2026.06.29
三浦

【逗子・葉山】魚のさばき方を伝授!朝採れの魚と野菜を味わう「more Fish葉山」

松井 美智子

ライター

松井 美智子

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太陽がまだ高くなる前の午前9時30分。JR逗子駅で待ち合わせしたのは、岩渕(いわぶち)さん。鎌倉でフィッシュバーガーの店を営む岩渕さんが今回案内してくれるのは、漁港見学と魚さばき体験ができるツアー「more Fish(モアフィッシュ)葉山」です。

葉山に住み、普段から三浦半島の恵みをいっぱいに感じている岩渕さんだからこそ、分かる、その土地の魅力。

一緒に歩いていると親しげに話しかけてくる店員さんがいたり、海や山のにおいを感じながら買い物したり。その日だけは、私も三浦の住人になったような気がした5時間でした。

水揚げから店先まで150

岩渕さんの車に揺られて、逗子駅から30分ほど。佐島(さじま)漁港に着きました。車内では、岩渕さんが観光スポットや地元ならではのお話を聞かせてくれたので、あっという間の移動時間。

駐車場で車を降りると、20歩ほど先に漁師さんの船がありました。駐車場をはさんで、南に水揚げ場、北に魚屋さん。その距離なんと150m!

気づくと、ギュッとまとまった漁港のど真ん中に立っていました。

車を降りた時の目の前の景色

一般的な漁港は朝が早く、午前中に行っても、すでに店が閉まっているなんてことも。しかし、佐島漁港の朝はゆったりしています。

朝8時に来てもまだ店が開いてないこともあるそうで、だからこそ、ツアーを通して漁港の魅力を伝えられるのだと岩渕さんは話します。

佐島漁港の鮮魚店。まる吉商店(手前左)と大翔水産(奥右)

私たちが店に行ったのは午前10時ごろ。岩渕さんから聞いていた通り、ちょうど魚が店前に到着したところでした。

港からフォークリフトに乗せられて来たのはコンテナではなく水槽です。中には活きのいい魚が何匹も。店員さんはピチピチと跳ねる魚に動じることなく、慣れた手つきで魚を運んでいました。

水槽から出した魚はそのまま店舗に。移動する魚から滴った水が、店舗前の道路を光らせます。港も店も同時に視界に入り、道路を1本で行き来するフォークリフト。距離の近さが魅力的な佐島漁港です。

フォークリフトで運んできた水槽から魚をおろす様子

岩渕さんは真剣な目つきでさっそく品定めをしていました。経営している店の食材も3分の1はここで仕入れているとあって、慣れたもの。水揚げされた魚を見ながら、手際よく魚を選んでいました。

買い物中に、イナダという魚をはかりに乗せて吟味する岩渕さん。なぜわざわざ重さを量るのだろうと疑問に思って見ていると「イナダは重い方が美味しいんだよ」と教えてくれました。

大翔水産で品定めをする岩渕さん(写真左)

鮮魚店を後にしてキッチンスタジオに向かう途中には、農家の直売所にも立ち寄りました。海沿いの雰囲気とは打って変わって、ここは山の中。

港から車で10分ほどしか離れていないのに、信じられない景色の変わりっぷりでした。

ここでアスパラガスやスナップエンドウなどを購入。直売所の裏の畑で朝採れたばかりだという野菜は、新鮮そのものです。

途中で立ち寄った農家の直売所
野菜に付いている手書きの札があたたかい

魚も野菜もとれたての地のものをゲットして、どんな料理に変身するのかとワクワクしながらキッチンスタジオに向かいます。

実は簡単!
プロが教える魚のさばき方

キッチンスタジオに着いたのは、お昼の12時頃。「小腹が空いたでしょ」と、岩渕さんがあっという間にソラマメを焼いて、スナックと一緒に出してくれました。

家族といるときには母親として気を遣う側に回るのが日常の私。「小休止してからやりましょうか」との気遣いにジーン…。

コレに決めた!

取材日に仕入れた魚は、アジ・キンメダイ・アオリイカなど6種類。「さばきたい魚を選んでいいよ」と言われ、私はこれまでやったことのないアオリイカを選びました。

ワタを抜き取っていると、突然黒いものがプシュッ。「イカ墨」は以前から知っていましたが、どこに入っているのかを知ったのはこの日が初めて。

自分で手を動かして体験することで、本やテレビでは分からない発見がありました。

木のぬくもりを感じるキッチンスタジオ

購入した魚の中で一番大きなイナダ。50cm以上もある大きさに圧倒されて一歩引いてしまった私にすかさず「大きいのでも小さいのでもさばき方は一緒です」とやる気をくれた岩渕さん。

「それならやってみよう」と思った私はすっかり岩渕さんの魔法にかかっていました。

岩渕さんが「more Fish葉山」を始めたのは、2022年11月。魚を食べる機会が減った日本人に「もっと魚のよさやおいしさを広めたい」という使命感で始めたとあって、岩淵さんの話の端々には魚の豆知識や漁師さんとのエピソードなどがたくさん。

聞いているうちに、魚の向こう側にある港や漁師さん、この土地に住む人たちの暮らしが見えてきます。

隣で実演しながら教えてくれるので分かりやすい

さばくのが初めてのイカも、大きなイナダも順序だててプロに教えてもらうことで、あまり苦労することなくさばくことができました。さばき終わった魚たちを目の前に、満足感はひとしおです。

さばいた愛着 食べて満腹

私が魚をさばいている横で、テキパキと動く岩渕さん。さばかれた魚からどんどん調理していきます。

全部の魚をさばき終わるのと同時に出されたのは、イナダのかま(エラのすぐ後ろ)を焼いたもの。

いつもなら食べずに処分してしまう部位ですが、あまりにフワフワとした食感で「今度からは家でも食べなくては!」という気持ちになりました。

さばき終わったらお楽しみの試食タイム。魚料理と一緒に出されたのは、葉山の田んぼで作られた酒米を使った日本酒です。提供される飲み物は、その日の料理に合わせて岩渕さんがチョイスします。

窓が開いていても町の音がとても静か。日本酒をお供に、丁寧に調理された新鮮な魚料理をいただく大人な時間が流れていきました。

魚型のオリジナル箸置きと、いただいた料理
※料理は一例です

この日に教わったことを家で実践するコツを聞いてみると「今日やったのは、焼いたのと煮たのと刺身ですよ。何も難しいことはしていません」と岩渕さんは満面の笑み。そう言われたらそうかもしれないと妙に納得してしまいした。

お店の味だと思った煮魚の煮汁が市販のものだというのも驚きです。手をかけるところはかけつつも、手を抜けるところは抜いてもよいと教えてくれた岩渕さん。

楽しみながら日常生活に魚料理を取り入れるヒントがありました。

more Fish」と伝えたい

岩渕さんの想いは「more Fish」=「もっと魚を」。日本にはたくさんのよい漁場があり、たくさんのおいしい魚があります。佐島漁港もそのひとつ。

今回のツアー「more Fish葉山」では、そのことを実感し、自宅に帰ってからも魚を買ってさばいてみようという気持ちになりました。

私たちと魚の距離が縮まるように、声なき魚の代弁者として、岩渕さんはこれからもツアーを続けていきます。

キッチンに立つ岩渕さん
スポット情報

more Fish葉山

■集合場所:JR逗子駅/京急逗子線「逗子・葉山駅」から徒歩5分
■解散場所:キッチンスタジオ/神奈川県三浦郡葉山町長柄1101-119
■開催時間:9:30~14:30
■ツアー料金:10,000円(飲み物・アルコール含む)
■キャンセル料:2日前までは無料、前日当日は100%
■ツアー開催人数:2~4名
■WEBサイトURL:MOSH: more Fish葉山:漁港見学と魚さばき体験のツアー 
■Instagram:Instagram 
※キッチンスタジオでは犬が同居しています。動物同居にご理解の上、お申し込みください。
■訪問漁港:佐島漁港/神奈川県横須賀市佐島3-5
■訪問鮮魚店:まる吉商店/神奈川県横須賀市佐島2-14-7
        大翔水産/神奈川県横須賀市佐島2-13-9

取材日 2026/05/15

※本記事に掲載されている情報は取材当時のものです。最新の情報とは異なる場合がありますので、お出かけの際は事前にご確認ください。

この記事を書いた人

松井 美智子

ライター

松井 美智子

モノの裏には想いがある。想いがあるからモノが生まれる。人間関係が希薄になりがちな今、人間らしさをお届けします。

私が大好きな場所や人を通して「京急沿線っていいな」「行ってみたいな」そんな思いが広がりますように…。

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