湯気とともに立ちのぼる鶏と出汁の香りに、自然と食欲が高まります。器には大ぶりに切られた鶏肉とネギが並び、その横に艶やかなざるそばが控える「鳥ざる(1,520円税込)」。
温かいつゆに冷たいそばをくぐらせると、ひと口ごとに旨味と香りが重なり合い、体の芯まで温かさが染み渡ります。しっかりとしたコクの中に、鶏のやさしい甘みと出汁の深みが広がる人気の一品です。


秋谷の地で紡ぐ、“日常のごちそう”
「蕎麦 桶や」があるのは、相模湾近くの穏やかな秋谷の通り。店主・池田よう子さんは、かつて和食の世界、茶懐石で修業を重ねるなか、「自分の好きなものに絞るといい」という助言を受け、食べ歩いていたそばの奥深さを追求しようと考えました。

その後、“翁達磨グループ”で7年半にわたり技術を磨き、2017年に「蕎麦 桶や」を開業。
「素材がいちばん美味しくなるよう心を尽くしたい」と語る池田さん。日々の食卓の中に、小さな感動を届けたいという思いから、そば粉、出汁、薬味に至るまで、すべての工程に丁寧に手をかけた料理を提供しています。
“好きだからこそ”追い求めた、
鶏と出汁の旨み
そばは、翁達磨グループで玄そばから自家製粉された粉を使用。温度や湿度を細やかに管理し、打ち立て・茹でたてにこだわります。
「鳥ざる」のつゆは、優しい味わいの温かいつゆと、出汁の風味をしっかり感じる冷たいざる用のつゆを絶妙に合わせて仕立てています。鶏肉の旨味がほどよく溶け込み、まろやかで奥深いコクが広がります。ネギは火をあまり入れすぎず、シャキッとした歯ざわりを残しており、噛むほどに甘みが広がります。

そば店では鴨肉を使うことが多い中、池田さんは「好きなものは追求するでしょ」「私、鶏が好きなんです」と笑顔で話します。地元の肉店から仕入れる新鮮な鶏肉を、ほどよい弾力としっとりした舌ざわりに仕上げています。
つゆに浮かぶ大きな鶏肉を頬張ると、鶏の旨味と出汁が一体となって広がり、思わず笑みに。
そこに冷たいそばをくぐらせると、ふわりと香りが立ち上ります。もちっとしたそばの弾力と喉越し、温かいつゆの深みが重なり、心までほどけるような美味しさです。




ふわっとほどける、
老舗の「さつま揚げ」
そばのお供には、小田原の老舗店から仕入れる「さつま揚げ(480円税込)」がおすすめ。池田さんが小田原を訪れた際に出会い、その素材を生かした美味しさに仕入れを決めたと言います。創業120余年、伝統の製法で仕上げられたさつま揚げは、ふわっとした口あたりと、すり身の凝縮した旨味が特長です。

生姜の爽やかな香りとピリッとした辛味がアクセントになり、そばやお酒との相性も抜群。男女問わずファンが多い一皿です。
丁寧な手仕事が生む、心に残る一品
玄そばの製粉から出汁のひとしずくまで——「桶や」のそばには、池田さんのまっすぐな想いと手間を惜しまない姿勢が息づいています。冷たいそばを温かいつゆにくぐらせて味わう「鳥ざる」は、のど越しの清らかさと鶏の旨味の深みが同時に広がる、贅沢な一品。
秋谷の穏やかな空気の中で、心まであたたまる時間をゆっくりと楽しんでみてください。


取材日 2025/010/24
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものであり、変更される場合がありますのでご了承ください。





スポット情報
蕎麦 桶や
■住所:神奈川県横須賀市秋谷2丁目13−4
■電話番号:046-887-0068
■定休日:月曜
■営業時間:火〜日曜:11:00-16:00 金/土:11:00-21:00(最終入店 19:30)
■アクセス:京急「逗子・葉山駅」よりバス約20分「秋谷」バス停下車すぐ
■URL:http://r.goope.jp/okeya
■Instagram:https://www.instagram.com/soba_okeya/