親子でお得に快適に電車を堪能できる~上大岡・市電保存館の楽しみ方

電車好きな子どもの親としては、わが子の願いとはいえ、外で何時間も電車を眺めるのに付き合うのは大変なものです。夏の炎天下は過酷だし、冬は寒さが身にしみます。できれば快適な場所で電車を見てほしい。もっと欲を言えば、リーズナブルに楽しみたい。ついでに勉強もできたら嬉しいかも…。

今回はそんなママパパのわがままを全部叶えてくれるとっておきの場所「市電保存館」を紹介します。

市営バスに乗ってお得に入館

京浜急行電鉄「上大岡駅」から横浜市営バス133系統に揺られること20分。到着したバス停の名前は「市電保存館前」。バス停の目の前が市電保存館です。

横浜市電保存館の入口。右にある建物はイベント時に使用する「しでんほーる」

横浜市営バスで来館すると入場料が割引になるサービスをやっているので、ここはぜひとも市営バスで行きたいところです。

ちなみに、「上大岡駅」には、今回乗車する横浜市営バスの他にも、京急バスや神奈川中央交通、江ノ電バスなどの停留所もあり、乗り物好きな子どもは出発前から目を輝かせてしまいそう。

市電ってなんだろう。歴史をたどって市電博士に!

市電保存館に一歩足を踏み入れると、電車好きの子どもたちは展示されている車両に吸い寄せられていきます。

横浜の市電が廃止されたのは1972年のことですが、館内には、実際に使われていた市電車両が7両展示されています。館内で市電車両を7両も見られるのは、日本でここだけ。ずらっと並んだ車両は年代がさまざまで歴史を感じます。

車両、標識、敷石は市電走行当時のまま保存されています。車両の中には現代の子どもが作った短冊が。季節にあった新旧のコラボ装飾も見どころのひとつです

ポールに残された横浜大空襲の痕跡!? 歴史を肌で感じる展示も

市電保存館の魅力のひとつは、展示から歴史を肌で感じられること。

たとえば、かつて使われていた架線柱は、市電が廃止されてから撤去されていきましたが、市電保存館には2007年まで奇跡的に残っていたポールが展示されています。京浜急行電鉄「神奈川新町駅」近くの国道15号沿いに残されていたものを市電保存館まで運んできたそうです。

市電保存館入口前に立っている架線柱の一部。1945年5月9日の横浜大空襲で被弾した15cmほどの穴が開いています

その他、キリンビールの工場からビールを載せて運んだ貨車も展示されています。藁(わら)に包まれたビール、現在の貨物列車とは違い1両で走っていたカワイらしい姿…当時の様子が目に浮かび、まるで市電の時代にタイムスリップしたかのように感じられるのが市電保存館の魅力です。

写真左にあるのはビールが詰め込まれた木箱。貨車には前後にコンパクトな運転席がついています(写真右)

本邦初公開の金型が期間限定で公開中!

さまざまな展示がある中、2026年4月までの期間限定で公開されているのが、市電の切符を作るときに使っていた金型です。なんと、2025年5月に個人宅より発見されたばかり!

2026年4月までの限定公開(予定)。市電の切符を作るときに使っていた金型。写真左の乗車券は
縦15cm、横4.8cm 。写真右の乗車券は縦3cm、横4.8cm

インクをつけた金型をスタンプの要領で紙に押し付けると、文字の入った切符ができるという仕組みです。切符は市電を降りるときに回収されるので現在まで残っておらず、この金型は当時を知る上で貴重な資料となるのだとか。

一見の価値ありです。

見るだけじゃない。市電を体感する運転シミュレーター

市電保存館には、実際に体験して市電を感じることができる場所もたくさんあります。私も実際に体験してきました。

市電の運転席に立ったかのような運転シミュレーター

市電の運転士は、立った状態で運転をしていました。目線の斜め上には大きな前窓があり、道路やまちの様子が見渡せます。そんな運転士目線を体験できるのがこちら。運転台はもちろん本物です。

3区間運転すると、「交代してね」との文字が出るので、子どもがついやりすぎてしまう心配もありません。

電車同士の夢の共演「ハマジオラマ」

車両の展示や運転体験を楽しんでから鉄道ジオラマコーナーに足を踏み入れると、2023年に開館50周年を記念して作られた「ハマジオラマ」が。「ハマ」と名前にある通り、市営交通だけでなく京浜急行電鉄やシーサイドライン、東急電鉄など市内を走る10路線の電車が大集合。電車同士の夢の共演が見られる空間となっていました。

1日6回ほど行われるジオラマショーは「横浜市営交通の歴史」「とある家族の1日と市営交通」「横浜を走る鉄道とバス」の3種類があります。日によって時間や内容、回数が変わるので館内に入ったらまずチェック。施設の中ほどに、その日の予定表が張り出されています。

リニューアル後にスタートしたジオラマショー「横浜を走る鉄道とバス」。京急電鉄も登場します
ジオラマショー以外の時間はコイン式の運転体験台に変身。バーを前後するだけの操作なので、お子さんでも簡単です。体験時間2分
入口近くのミニジオラマ。リニューアル前のジオラマショーで使用されていた模型で、今も現役です

現在のジオラマはHO(エイチ・オウ)ゲージ。本物の1/90程の大きさです。しかし、リニューアル前はそれの2倍くらいのサイズのO(オウ)ゲージでした。1900年代には人気だったこのサイズも、販売や修理をする店が減り、新たなジオラマで継続して使用することが難しくなったそうです。

私が子どものころに見た市電保存館のジオラマはOゲージのものだったので、少し寂しい気もしましたが、細々とでも現役で動いている姿に元気づけられました。

今回は私が市電保存館を訪問し、見たり体験したりしたことを記事にまとめました。この記事を読んで、少しでも市電を身近に感じられたのなら、実際に親子で行って、見て、感じて、体全体で市電を味わってみてはいかがでしょうか?

横浜市電保存館

住所 横浜市磯子区滝頭3-1-53

電話番号 045-754-8505

開館時間 平日 10:00~16:00(入館は15:30)

     土日祝日夏休み 9:30~17:00(入館は16:30まで)

休館日 毎週水曜日、木曜日

    ※祝日と重なる場合は開館

    ※横浜市立小学校の春休み、夏休み、冬休み期間中は開館

    年末年始(12/29~1/3)

入館料 大人(高校生以上)300円 3歳~中学生100円

    ICカード利用による市営バスの来館で割引あり

    その他各種 割引あり

アクセス 京浜急行電鉄「上大岡駅」から横浜市営バス133系統で20分「市電保存館前」下車すぐ

京浜急行電鉄ほか「横浜駅」から京急バス110系統、横浜市営バス102系統で30分「滝頭」下車徒歩3分

駐車場 16台(無料・高さ制限あり)

休憩所 飲食可14席、その他飲み物のみ可のベンチ多数

横浜市電保存館

Weavee地域ライター/松井 美智子