自分でつくった江戸切子のマイグラスでビールが楽しめる!川崎駅周辺で非日常感漂う大人の休日

贅沢はしたいけど、遠出するのはちょっと面倒…。今回は、そんなワガママを叶えてくれるとっておきのコースをご紹介します。地元なのに五感でトキメク♡そんな週末の過ごし方ができたらステキだと思いませんか?京急川崎駅徒歩10分圏内で、非日常体験ができるお店2選です。

江戸切子のマイグラスが作れちゃう「東海道GLASS」

みなさんは「江戸切子」という伝統工芸をご存じですか?カラフルなガラスを削って美しい模様を作っていくアレです。なんと江戸切子の体験ができるお店が京急川崎駅から徒歩3分の場所にあるとのこと。そんな駅近に?!なんで今まで気づかなかったんだろう…と思いながら、さっそく体験しに行ってきました。

東海道GLASSを経営している株式会社岩田屋のビル。壁に描かれた青海波の模様には、末永く会社が続くようにという願いが込められています。この建物の2階が東海道GLASS

江戸切子の製作体験ができるのは、東海道GLASSというお店。入口を入ると、少し薄暗い感じがあり、おしゃれな照明がぽつんと付いています。秘密基地に入っていくような雰囲気のある通路です。

2階にあがると窓際にカラフルなグラスが並べてあり、とても明るい雰囲気。並べてあるのは講師の作品で、気に入れば購入もできるそうです。

体験費用とは別に材料費がかかります。透明のものは500円、色付きのものは1500円です。削る場所には、後で消せるガイドラインが引いてあるので、初心者でもキレイに仕上がります

簡単な説明を聞いて、すぐに体験のはじまり。まず初めにベースとなるグラスや皿を選びます。いろいろな色があって、それ自体が既に美しいものばかりです。

削るときはグラスの向こう側にやすりを当てるので、色が濃いものはやすりの位置が見えにくく難易度が高いそう。それを聞いて、私は薄い青を選びました。全て手作りのため、同じ色のグラスでも微妙に形や大きさが異なります。自分のお気に入りを見つけたら、作品作りに熱が入るかも。

電動で回転するやすりにグラスを当てて削っていきます。もし、やすりを触ってしまっても手が削れることはないから安心です

まず、練習用の板ガラスで星や線などを試しに削ってみます。何度か練習をしてから本番。

自分が作りたい模様を相談すると、やすりの当て方を丁寧に教えてくれます。ガラスを削る感触が新鮮で集中していると、みるみるうちに模様が削られていきます。余計に削ってしまったところもありますが、それも手作りのよさ。全てがオンリーワンの思い出になります。

完成したグラスはLEDの台座に載せて、写真を撮らせてもらえます。SNSなどにアップしたい方には嬉しいサービスです

こちらの体験教室を運営している株式会社岩田屋(以下、岩田屋)は、ビールのお店も経営しています。なんと、作ったグラスをそちらのお店に持ち込むと、好きなビールを注いでくれるそう。自分で作った切子グラスで飲むビール…想像しただけで顔がにやけてきます。いてもたってもいられなくなった私は、作ったばかりのマイグラスを持って、東海道BEER川崎宿工場に向かうことにしました。

東海道GLASS

住所 神奈川県川崎市川崎区砂子1-4-9 砂子岩田屋ビル2階

電話番号 080-9391-9140

開催日 土日祝日(10:00~16:30最終受付)

アクセス 京浜急行電鉄「京急川崎駅」徒歩3分

所要時間 1時間30分ほど

定員 8名

体験料 大人3500円 中高生2500円 小学生2000円(材料費別途)

体験・江戸切子|川崎のガラス工芸教室 東海道GLASS(トウカイドウグラス)

工場夜景を見ながら飲める?!東海道BEER川崎宿工場

東海道BEER川崎宿工場は、京急川崎駅から徒歩7分。旧東海道のほど近く、東海道GLASSと同じく岩田屋が経営するお店です。

元々、岩田屋は明治27年から輸入板ガラスの工事業を営んでいました。最初は大きいガラスをサイズ加工をしていましたが、年月が経つと、カット済みのガラスが入ってくるようになったそう。「それで加工場や倉庫に使っていたこの場所が空いたんですよ」と笑いながら話すのは岩田屋の社長。自身が慣れ親しんだ川崎で、地元の方に慣れ親しんでもらう場所を作ろうと決めたのです。

ガラスを運ぶトラックがそのまま入れるように、天井がとても高かった建物。それをかして、広さ以上に開放感のあるお店になっています。

イチョウとトンボの細工が美しい木の扉

岩田屋の建物には、どれもイチョウとトンボがデザインされています。イチョウはお店近くの稲毛神社のご神木がイチョウであること、川崎市の木がイチョウであることから採用したそうです。また、トンボは前にしか進まないことから勝虫(かちむし)として、昔から成功や出世のシンボルとされてきたそうです。どちらも社長こだわりのデザインです。

工場夜景を思わせるカウンター席。赤い江戸切子の照明と大きな板ガラスの向こうに見えるのは、ビールの醸造所。2019年日本空間デザイン賞入選(写真提供:東海道BEER川崎宿工場 )
3種飲み比べ・1400円。本日のビール12種(日替わり・売り切れ次第終了)の中から好きな3種を選んで楽しめます。左から「1623」「黒の弛緩(しかん)」「薄紅の口実」

東海道BEER川崎宿工場のビールは比較的どれもアルコール度数が低め。また、スパイスや果物を使ったり、植物を煮出したりしているので香りがさまざまです。混ぜているものが色々だからこそ、色もいろいろ。飲むだけじゃないビールの楽しみ方ができるのがココの魅力だと思います。

もちろん、アルコール度数の強いビールやウィスキーもありますし、ソフトドリンクもあります。

東海道GLASSで作ったグラスにウタマロIPAというビールを入れてもらいました。おつまみは、和牛コールドコンビーフと宿場駄菓子かりんとう(きんぴらごぼう味)

ウタマロIPAは川崎大師駅近くの若宮八幡宮で行われている「かなまら祭り」から発想を得て作ったそうです。その他いただいたおつまみも、和牛コールドコンビーフは同じ町内の「肉の宮代」、宿場駄菓子かりんとうは旧東海道沿いの「川崎東照」から仕入れているという徹底した川崎愛。

カウンター席に座って、社長と話をしていると、 次から次にあふれてくる川崎コラボの夢のアイデアに聞いている私までワクワクしてきます。

持ち帰り用瓶ビール3本セット(2200円)川崎フロンターレとコラボした菖蒲入りの「FRO AGARI YELL」(風呂上がりエール)(左)や川崎水族館(カワスイ)とコラボしたラベル(右)は持ち帰り限定

店の外はよく知っている活気あふれた川崎なのに、店内は驚くほど静かで、時がゆったりと流れているように感じました。

東海道BEER川崎宿工場は、お酒を飲める場所ではありますが、「居酒屋」というより「憩いの場」というのがふさわしいような場所でした。

東海道BEER川崎宿工場

住所 神奈川県川崎市川崎区本町1-4-1

電話番号 044-272-3639

営業時間 平日17:30~22:00 土日祝12:00~22:00

定休日 火曜日

アクセス 京浜急行電鉄「京急川崎駅」徒歩7分

座席数 カウンター10席、テーブル4席

クラフトビール 東海道BEER川崎宿工場

目で見て、手で触って、削る音を聞いて、美しさを感じる江戸切子。カラフルで、さまざまな香りや味をもつオリジナルのクラフトビール。京急川崎駅周辺で、五感をフル活用し、五感がトキメク時間を体験できました。みなさんもたまには、日常から解放されて五感を研ぎ澄ませてみてはいかがでしょうか。

Weavee地域ライター/松井 美智子