なぎさ No.620 『パノラマの自然感じる大楠山へ』より
特集 逗子・葉山駅
パノラマの自然感じる大楠山へ
うららかな陽気、木漏れ日を浴びながら、
通り過ぎる風に耳を澄ませて。
土の匂い、草花の息吹、見上げれば、青い空。
春を探しに、山へ行こう。
ビギナーでも楽しめる、低山ハイキングのススメ。
登山者たちの心強いナビゲーター
「YAMAP」を活用しよう!
圏外の山中でも地図と現在地が確認できる登山アプリ。ルート記録や写真も保存できるので、日々刻々と変わる山の状況をシェアしたり日記代わりにもなったりする。
山に登る前に……
低山といっても、山は舗装されていない道を歩くことや、気候が急に変わることもあるため、危険が伴う。自分の体調と体力、季節と天候を考えて、まずは最低限必要な装備をそろえよう。
帽子
春や夏は、ツバがあって日よけができるもの、寒い冬は耳まで覆うフリースやウールが快適。
リュック
日帰りハイキングなら20-25Lぐらいがベスト。ウエストベルト付きにして、荷重を分散して。
ウエア
速乾性、吸湿性の優れた下着が良い。アウターは薄手で防風性のあるものが着脱しやすい。
グローブ
けが防止、日焼け防止にもなる。多少ぬれても温かいウールや化学繊維のものがオススメ。
スカート
アウトドアウエアの中で、女性に人気の山スカート。足さばきが良く歩きやすい。冬はフリースやダウンのスカートもある。
タイツ・靴下
タイツは足への衝撃をやわらげるスポーツタイプを。靴下は登山用の厚手のものが疲れにくく防臭効果もある。
靴
靴底が厚めで滑りにくい登山用の靴を。専門スタッフがいる登山用品店で、試し履きをして購入するのが安心。
心を解放してくれる海と山で 春の風景を訪ねて
絶好のハイキング日和を迎えた当日。目指すは、三浦半島で最も高い大楠山の山頂。伊豆半島、富士山、箱根連山、大島、房総半島を見渡せる360度の一大パノラマが待っている。標高は242mと気軽に登れる高さなので、初めての山登りにはぴったり。都心から近いため、登山家たちの冬のトレーニングの山でもあるのだとか。せっかくなので、ちょっとだけ勉強して、山登りの装備をそろえてみた。春を見つける山歩きへ、いざ、出発。
スタートは、そびえ立つ12mの奇岩(立石)と松の木、富士山の景色が一枚絵のように美しい立石海岸から。初代歌川広重が『相州三浦秋屋の里』を描いた景勝地としても知られている。 美しい海を眺めながら歩くこと約10分。道沿いに咲く河津桜を観賞しつつ、登山ルートへ続く前田橋バス停前に到着。
逗子・葉山駅を降りてすぐのところにある鎌倉・葉山野菜の逗子生産直売所へ。山頂で、旬の野菜を使った簡単山ゴハンを作ります。
立ち寄りどころ 01:逗子生産直売所
7軒の農家さんが日替わりで、穫れたて野菜を販売する。今日のオススメ野菜やレシピを教えてもらえるかも。
【DATA】
住所/逗子市逗子 5-2-50
営業時間/8:00~日没
※営業時間は日によって異なります
定休日/1月1~4日
スタートは立石バス停前の立石海岸から。
天気が良ければ富士山が見えて、潮風も心地良い。
海も山も堪能するコースだ。
前田川は、大楠山の沢の水や湧き水が集まった清流。
登山口までは、遊歩道と舗装された道の2コースある。
小川のせせらぎに耳を澄ませながら、深い森の前田川遊歩道を抜けると山道がはじまる。
緩やかな山道をしばらく歩くと、丸太の階段が増えてくる。
山の中にいると、自然の音しか聞こえない。風は何を運んでいるの? 木々たちはどんなおしゃべりをしているのだろう? そんなふうに自然と会話しながら歩いていると、あっという間に山頂に到着。雄大な景色を眼下に見下ろすと、日常のたわいもない悩みが吹き飛んでいった。
小走りになりそうな帰りの坂道は明るい樹林帯を抜けて。下山後、バス停に向かう道すがらジャム&カフェ店を発見。店主とのおしゃべりが弾み、再び立石海岸を通るころには、海は赤く染まり、朝とはまるで違う景色を描いていた。
※時間は夏季を想定しております。暗くなってからの下山は大変危険です。日没の時間を考慮した登山をお願いいたします。
立ち寄りどころ 02:新倉さんちの手づくりジャム
三浦大根や夏ミカンなど、地元の農家さんから買い付けた食材を使ったジャム。常時60種類くらいを販売。
【DATA】
住所/横須賀市秋谷2-19-1
TEL/046-855-5706
営業時間/11:00~16:30
定休日/水・木曜日
大楠山(おおぐすやま)
標高約242mながら三浦半島最高峰、登山専門誌で関東百名山に認定された山。
初心者でも気軽に山頂まで登れる(山頂にある休憩所横にトイレあり)。
都心からわずか1時間半で登山口へ。
[ Hiking Data ]
約2時間半で往復できる初心者でも安心の山
自然を存分に堪能したいなら、川沿いを歩く前田橋コースを。
山頂から一段下がったところにある広場やコースの一部では、春は桜が咲き誇る。
初夏から秋(5〜11月)はマムシやスズメバチに注意。
※掲載内容はなぎさNo.620発行当時(2020年4月)のものとなります。
※社会情勢等により、営業時間や内容が異なる場合がございます。
※価格は全て税込です。
※「なぎさ」は京急電鉄が発行している広報誌です。バックナンバーは京急電鉄のHPからご覧いただけます。